ボールが転がらない悪コンディションも、獨協埼玉がFW加藤啓太の2発逆転で代表決定戦へ! 桶川は先行するも逃げ切れず

第101回全国高校サッカー選手権大会1次予選・2回戦。O組の獨協埼玉と桶川の一戦は、獨協埼玉が2-1で制しブロック決勝進出を決めた。27日、2次予選をかけて朝霞西と対戦する。

試合の行われた栗橋地区は、第2試合直前からどしゃぶりの様相に。開始時には土のグラウンドはぬかるみ、ボールが全く転がらない状態になるなど、両軍ともに難しい戦いを強いられた。

「初戦をちょっと見に行かせてもらって、前の9番、14番、7番、10番と攻撃の多彩さがあって、どうやってまず3トップを抑えるのかというのが今日のテーマだった」(曽我部農生監督)という獨協埼玉もプランの変更を余儀なくされ、「縦に早く、リスクを回避するということでロングボールを入れる」サッカーにシフトチェンジ。その中で右SBの皆川拓己(3年)が対人の強さとうまさを発揮し、FW加藤啓太(2年)が何度か相手DFラインの裏にチャレンジした。

一方、桶川も入れられるタイミングで縦にボールを配球し、そこからスローインなどを取ってアタックを展開。すると、スコアレスで折り返した後半、先にスコアを動かしたのは桶川だった。

2分のMF小川直人(3年)のシュートは獨協埼玉GK成毛純(3年)の好守に阻まれたが、8分、MF上島暖大(3年)のFKからCB山本航平(3年)がヘディングで決めて、均衡を破る。

獨協埼玉は攻め込みながらも、なかなかフィニッシュを打ち切れないという状況があった。それでも「シュートがないよ!」とベンチから声がかかった16分、MF髙橋瞬(2年)のFKに前半から精力的に動いていた加藤が首を振りながら頭で合わせて同点に追いつくことに成功する。

後半は皆川がトップへ。本職はSBだが、「攻撃的に攻めることも出来るし、前に上がってくると得点力もある。ボールを持ってからの仕掛けも良いですし、パワーも良いし、対人がまず強い」と新チームからはSBとトップを兼任するキーマンは20分、前線で浮き球をフリック。反応した加藤が角度のないところから右足を振り抜いてネットに突き刺し、これが決勝点となった。

誰よりもユニフォームを汚し、奮闘していた2年生FWの2発に曽我部監督も「身体を張って頑張ってくれる選手。2年生なんですけど、チームの中心で頑張ってくれている」と評した。

「(今年は)よく走るし、よく身体を張って守れるチーム。いままでのようなでかさ、強さみたいなものはないんですけど、でもみんなで頑張れるチームなのかなと思います」(曽我部監督)

6月のインターハイ予選は本戦に出場したものの、1回戦でふじみ野に0-5で敗退。「悔しい想いをした。朝霞西は強敵なので苦しいんですけど、なんとかぎりぎりでもいいので朝霞西に勝って、2次予選に進めたらいいなと思います」。そして2次予選でインハイの悔しい想いを返す。

石黒登(取材・文)

試合結果

獨協埼玉 2-1 桶川
0(前半)0
2(後半)1