高校女子サッカー埼玉県選手権大会 浦和実業 vs 川口総合
女子選手権予選の順位決定戦、決勝リーグが16日に東松山岩鼻グラウンドで行われた。順位トーナメント第1試合は川口総合高校と浦和実業高校が対戦。試合は前半2点を先行した川口総合が後半1点を返されながらも終盤の追加点で3ー1と競り勝ち、5位決定戦に駒を進めた。
序盤の攻防を制し先制したのは川口総合。前半9分、左コーナーキックを獲得すると「コーナーは狙い目のひとつ。よく練習している」(MF宮下絵理佳)。宮下のキックから混戦が生まれると、「自分はGKの前に立つ係。こぼれてきたらひたすら打つ」イメージだったという2年生MFの石田梨紗が左足でこぼれ球を押し込んでゲームを動かした。
その後はしっかり守備を固めてきた浦和実業に対し、攻めあぐむような場面が続くも前半30分には追加点。「相手がガツガツ来ていたので、自分も前に行くことを意識した」という宮下がペナルティーエリア手前から左足で沈めて2ー0で試合を折り返した。
しかし後半は一転、浦和実業が攻勢に出る。パスミスやマークのずれを見逃さずに序盤からシュートまで持っていくと、後半8分、中盤右サイドでボールを持ったFW円城寺恭子がドリブルを開始。スピードに乗ったドリブルでひとりふたりと引き剥がすと、追いすがるディフェンダーをうまく抑えながら最後は豪快に左足を振り抜いて対角線に突き刺した。
その後試合は再び一進一退の攻防に。浦和実業は後半20分あたりからさらに攻勢を強めると、31分にカウンターから円城寺がゴール前に切れ込むもゴールならず。すると34分に右コーナーキックから「セットプレーは絶対に取れるように最後まで狙っていた」というMF細見真優が「前のスペースが空いていた」のを見逃さずにファーサイドで合わせてだめ押し。難しい展開ながらも、得意の形から得点を重ねた川口総合が5位決定戦に進出した。
今年は新人戦、総体予選でベスト8。4強進出に向け「勝ちたい気持ちが強かった」という12日の埼玉平成高校戦では0ー0の末にPK戦で破れて目標実現とはならなかった。
「今年はひとつ核になる世代だったのでベスト4に行きたかった」(猪狩敏彦監督)。この日すべての得点に絡んだ3年生の宮下も「まだ足りない気もするんですけど。。。」と語ったように決して満足のいく結果とはならなかったが、最終戦に向けて気持ちは切り替えている。
「本当に最後。大学で続ける選手も少ないし、2年半一緒にやってきた仲間、あとは後輩たちと力を合わせて必ず勝ちたい」とDF難波楓主将。
「後輩たちに託すという意味で今も練習をやっている。最後の試合で後輩たちにプレーで見せられるように、自分たちも頑張りたいと思っています」と語り、細見も「5位で終わるか6位で終わるかというのは大事なこと。しっかりと5位で終われるように頑張りたい」と高校最後の試合を前に意気込みを語った。
ベスト4の目標は次代へ。先輩たちは勝ってその想いを後輩たちに託す構えだ。
石黒登(取材・文)
試合結果
浦和実業 1-3 川口総合
0(前半)2
1(後半)1