“稲妻軍団”大宮東が3年ぶりの県16強進出! 浮沈握るキーマン、MF鈴木大斗が1G1A

令和4年度全国高校総体県予選・2回戦が5日に行われ、大宮東は2-0で飯能南を下した。

「ヘディングやセカンドボール、そこで勝てないと多分、向こうの思うようになると。結果的に相手の11のヘディングのところで、うまく試合の進行ととともにそこを消せた部分がひとつ流れを向こうに持っていかせなかった」と大宮東・二見元監督は序盤の主導権争いをキーに挙げる。

序盤は飯能南が良い入りを見せたものの、大宮東は空中戦でしっかりと戦い、セカンドを回収。主将の10番FW山﨑陸斗(3年)、MF鈴木大斗(3年)を起点に相手を押し込んでいった。

すると引水直前の前半22分、鈴木が運び、ゴールエリアに斜めに差すようなスルーパス。これに左SHの瀬山愛翔(3年)がダイアゴナルに走り込み、ダイレクトで合わせて先制に成功した。

後半も落ち着いてゲームを進めると、追加点も再び引水前。18分、左からのクロスを瀬山がゴールエリア深くでキープ。呼び込んだ鈴木が右足で鋭いシュートを突き刺し、勝負を決めた。

一方、飯能南は後半も入りは悪くなかっただけにそこで点を取りたかった。2分、スローインから繋ぎ、MF粕谷青(3年)が合わせるもうまくヒットせず。10分にはMF関口大輝(3年)の直接FKが枠を捉えたが、大宮東GK萩原亮介(3年)の攻守に遭い、ゴールとはならなかった。

大宮東は1980年代半ばから1990年代半ばにかけて埼玉の高校サッカーを席巻。インターハイには7度出場し最高準優勝、選手権には5度出場し最高ベスト8と全国でも輝かしい実績を残しており、ユニフォームに入る印象的な模様から「稲妻軍団」と恐れられた。現在の選手たちも伝統のユニフォームを着て「稲妻をもう一度、全国へ」という想いのもと、練習に取り組む。

ここ2年は1回戦が壁となっていたが、今年は2017年以来の出場となった関東予選1回戦でS2上位レベルの西武文理を2-1で撃破。さらに迎えた今大会の1回戦も西武文理が相手に。

名門・武南出身の指揮官も「自分が現役の時も高校サッカーは抽選も含めて、どこと当たるかも含めてというのは散々言われてきたけども、これだけ短期間の中で、しかもトーナメントで当たるというのは」とさらにサッカーの奥深さを感じたという中で「本当に昨日の試合は難しくなる、本当に厳しい試合だというふうに言ってきて、この子たちが乗り越えてくれた」と関東に続き、強敵撃破。そして2回戦もクリアし、2019年の選手権予選以来となるベスト16進出を決めた。

チームの中心は主将の山﨑と、テクニシャンの鈴木。特にこの日1ゴール1アシストの鈴木は「サッカーを一番わかっていて、裏とか、駆け引きとか、タメと仕掛けも含めてやれる子」と指揮官もキーマンに挙げる。また、そのほかのプレーヤーも頑張れる選手が多く、二見監督も「本当に練習だけじゃなく、勉強も含めて真面目に一生懸命頑張れる子たち。そういうのが少しずつこういう形に表れているのかなと思う。だからこそ、なんとかあとひとつ行けるように」と話す。

3回戦の相手は関東予選覇者の正智深谷。厳しい試合が予想されるが、鍵はチームコンセプトとして掲げる「賢守即攻」になるか。「堅守速攻」をもじった造語で「賢く守ることが即ち攻めにも繋がる」という意味を持つ。王者に対しても、賢く守って、ジャイアントキリングを狙う。

石黒登(取材・文)

試合結果

大宮東 2-0 飯能南
1(前半)0
1(後半)0