浦和北が後半5発で浦和実業を振り切る! 4年目の古市監督も「勝負したい」と語る期待の代、「スタイルを持って」上位にチャレンジ
インターハイ南部支部予選・2回戦。浦和北は6-0で浦和実業を下し、決定戦進出を決めた。
立ち上がり、浦和北はアンカーで司令塔のMF小林優大(3年)がパスを散らし、サイドが高い位置を取って展開。MF川尻大輔(3年)、DF下福歩音(3年)の右サイドから多くの形を作る。
攻め込みながらも相手の固い守備を前になかなか得点出来ずにいたが、前半27分にMF高橋峻太(3年)の右CKからMF佐藤柊介(3年)が打点の高いヘディングで合わせて先制した。
一方、浦和実業もDF浅利司彩(3年)主将を中心とした5バックが集中した守りを見せて前半は決定機はあまり作らせず。10番FW小倉誠太(3年)が起点となった速攻で鋭さを見せる。HT明けからはさらに前への力をプラス。後半16分には浅利主将が自陣からパスを繋ぎながらオーバーラップしてゴールまで迫る。また、長身の浅利はセットプレーでも脅威となっていた。
浦和北はMF蓮沼佑(3年)がポスト直撃のシュートを放つも追加点を奪えずにいたが、“エース”が第4ピリオドで仕事をする。後半23分に素早いリスタートからFW田中泰司(3年)が味方のシュートのこぼれ球を流し込むと、その2分後にも再び田中。「常にゴールを見ていたので、キーパーが前に出ていたのはわかっていた」。GKを越す技ありゴールで追加点。古市元喜監督が現役時代につけていた『9』をつける浦和北のエースが連続ゴールで勝負を決定づけた。
これで勢いに乗ると後半30分、高橋のクロスを川尻がスルーし、途中出場のMF濱中奎吾(3年)がゲット。37分にも代わって出たFW八木準太(3年)が抜け出しから決めると、後半ATには中盤のボールを八木が頭で突っつき、最後は小林が流し込んで6-0とし勝利を収めた。
大勝はしたが、なかなかゲームを決めきれなかったのはひとつ反省点だ。小林は「焦って前に前にという感じで、後ろからも全然繋げなくて、前に蹴ってセカンドボールも拾えず、もったいないシーンが結構あった。落ち着いてやればもっと自分たちのペースでゲームを運ぶことが出来たと思うんですけど、それが出来なかった。ちょっと落ち着きがなかったです」と振り返る。
初戦の緊張感や暑さ、また現在は複数ポジションを出来るよう、いつもとは違ったポジションでプレーしている選手もおり、うまくいかなかった部分も。それでも勝ちきったことは次に繋がる。
古市監督も今年は「勝負したい」と話す。現在の3年生は選手権1次予選の裏で行われるさいたま市民大会に1年時に出場し、周りが2年生たちだった中で市立浦和、浦和南、浦和西などを下して準優勝。今年1月の新人戦支部予選では2回戦で県リーグ勢の国際学院を破るなどして関東大会予選への出場権を獲得した。関東予選では1回戦で立教新座に敗れたが、力を持った代だ。
ふじみ野を強豪校に育て、2019年に浦和北に赴任し4年目。「自分の中でも節目の年。(上位進出校とは)まだ差はあるが、やっぱり勝負には行きたい」。今年はA級ライセンスの講習会にも参加。同講習会では最年長だったという中で指揮官自身も新たな刺激や学びを得ながらそれを子供たちに還元。ふじみ野とはまた違った「スタイル」を持ったチームで上位進出を目指す。
そのためにもまずは目の前の階段を一段ずつ上がる。7日の代表決定戦の相手は難敵・南稜だ。小林は「南稜とは同じSS1(リーグ)でこの間も試合を見ていた。勝てない相手ではないと思うので、しっかりと勝ちきりたい。立ち上がりを大事にしたいですね」と意気込みを語った。この日の課題を生かし立ち上がりから相手を呑み込んで、関東予選に続きまずは県大会を決める。
石黒登(取材・文)
試合結果
浦和北 6-0 浦和実業
1(前半)0
5(後半)0