川口市立が5発で初戦を突破! 昨年夏には人工芝グラウンドも完成、恵まれた環境を生かして「県大会を当たり前に」して上位へ

インターハイ南部支部予選2回戦(4日)。川口市立は5-0で与野を下し、決定戦に進出した。

川口市立はパスを繋ぎながら、右SHの吉野温生(3年)が推進力を見せる。その中で前半9分、吉野のアーリークロスからMF中嶋絆(2年)が左足で決めて先制。さらに11分にはMF吹野孝磨(2年)の右CKに10番FW長谷川達哉(2年)がヘディングを沈めて2-0とした。

一方与野も2点の先行を許すも集中力を切らさずに粘り強く守り、GK上原湊人(2年)が好セーブを見せながら速いアタックで迫る。前半32分、前線で奪ったMF𠮷羽糾琉(2年)のシュートはわずか左に。38分には素早い切り替えからMF塩田莉央(3年)のシュートまで繋げた。

それでも地力で勝る川口市立は、後半2分にMF村田湧泰(3年)のアシストから吹野が決めて3点目とすると、7分には中嶋、MF関口輝星(3年)の左で崩し、最後は長谷川が決めきった。

後半は1年生も次々と送り出され、5人がピッチへ。19分には吹野の左クロスをMF松田倖が流し込むなど結果にも絡んだ。最終的に5-0で勝利した川口市立が代表決定戦進出を決めた。

それでも岩井厚裕監督は「点数だけ見れば5-0ですけど、相手のシュートミスに助けられた部分もあるし、まだまだキーパーからのビルドアップで細かいところですけどミスが多かった。相手のプレッシャーを受けているのに周りがサポートに来なかったり、相手の状況を見てどこにいつサポートに来たらいいのかとか、そういうことが出来ていない。自分たちでテンポ良く出来ている時はいいんですけど、相手がちょっと変えてきた時にそこでゴタゴタしてしまう」と話す。

早々に2点をリードしたが、途中から陣形を変更し、プレッシャーのかけ方を変えてきた相手に対し、味方のサポートが少なく、攻撃が停滞してしまう場面もあった。主将のDF佐藤悠太(3年)も「もっと先生たちに言われる前に自分たちから気づけるようにならないと」と反省する。

ゲームを読む力というのは3年目を迎えた岩井監督体制でこだわってやっている部分。「サッカーって難しくて、ただうまいだけじゃ試合に出られない。うまいやつは腐るほどいる。そこで何が必要かと言ったら自分の頭だし、ポジショニングだったり、予測だったり、どうしたらいいのか、いつどこにどう動いたらいいのか、それをいつどこでどうやって判断するのか。そういうことで上回れればなんとかなると思う。自分もそうだったから。もちろんうまいにこしたことはないですけど、うまい選手がそういうのを身につけたらもっと上に行ける」。的確な読みと高い戦術理解を武器に横浜フリューゲルス、アビスパ福岡で活躍した指揮官の言葉には重みがある。

昨年8月には人工芝のグラウンドも完成。県内公立では有数の環境とレベルの高い指導(岩井監督がS級、山田純輝コーチがA級ジェネラル)を求め、この春には41人の1年生が入部した。昨年関東2部のグランデFCでレギュラーSBを務めた清水厳や川口西中で関東大会を経験したMF大森拓真、MF三瓶直裕、松田など実力者も多く、「期待の1年生たち」(山田コーチ)だ。

「本当に環境には恵まれているので、もっと県大会というのを当たり前にしていかないといけない。県大会に出て、より多く試合に勝てるように、上を目指して頑張りたい」(佐藤主将)

まずは7日の代表決定戦で大宮北を下して県大会出場を決め、その上で上位進出を目指す。

石黒登(取材・文)

試合結果

川口市立 5-0 与野
2(前半)0
3(後半)0