大宮U18が7年ぶり3度目のV 可能性示した新1年生たち、主力組もコンディションを上げ、いざプレミア開幕戦へ【浦和カップ】

「第41回浦和カップ」の決勝が3月30日、埼玉スタジアム第3グラウンドにて行われ、大宮アルディージャU18が2-0で健大高崎高(群馬)を下し、7年ぶり3度目の優勝を飾った。

3日間6試合を戦い、12得点・無失点と影をも踏ませず無敗V。森田浩史監督は「3日間の大会の3日目というところで、選手たちは疲労もあったと思う。特に新1年生が3日目を通して参加しているので、そういう疲労の部分もありましたけど、最後までしっかりやってくれたし、良い相手とゲームが出来たというのはチームにとって良かったかなと思います」と振り返った。

決勝も終始、健大高崎を圧倒した。前半4分、FW高橋輝(新3年)がドリブルで右サイドを抉る。切り返しからのシュートは相手に当たったが、こぼれ球に再び左足を振り抜いて先制した。

その後もDF斉藤秀輝(新1年)の右足ボレーがわずかにゴールバーの上に。前半16分には高橋のチャンスメイクからU-16日本代表候補FW磯崎麻玖(新1年)と次々と決定機を迎える。

そして後半7分に追加点。MF菊浪涼生(新1年)が持ち出してスルーパスを送ると、エリア前で受けたMF登丸楓吾(新1年)のカーブシュートが綺麗な弧を描いてネットに突き刺さった。

後半は相手のサイド攻撃からフリーでシュートを打たせる場面があるなど反省点もあったが、最後まで崩れることなく守備。終盤には今年のチームで点取り屋として期待されるU-17日本代表候補FW前澤拓城(新3年)といった選手もピッチへ送り出しつつ、2-0で試合を締めた。

各チームさまざまな用途で今大会を活用していた中で大宮U18は、まだ上級生たちとの活動がなかった新1年生たちの融合と、プレミア主力組の調整も兼ねて大会へ。「チームの強化というところとプレミアへの準備というところが出来た」と指揮官もそれぞれの部分で手応えを語る。

新1年生組は最初の頃は新2、3年生たちに自分たちの特徴を理解してもらうことに時間を使ったが、「ただやっていくうちにスピードが武器だったり、技術が武器だったりという選手がいて、それぞれみんな武器があって、すごいうまいなというのは感じた」とU-18日本代表候補DF小澤晴樹(新3年)主将も言うように、特徴を掴んでもらう中で活躍の場を増やしていった。

特に191cmの長身を武器に存在感を放った磯崎については森田監督も「楽しみ」と語る。「やっぱり彼なんかはもうどんどんどんどんプレミアとかで絡んできてほしいし、それがU-16の代表とか、来年のU-17W杯とか、そういうところに繋がっていけばいい。ただやっぱり競争なので、そういうところ(年代別代表)に入っているから試合に出られるわけではないですし、そういう意味では最後(決勝)は点が取れなかったので、結果でどんどん示してほしいと期待しています」。

また、主力組についても実践も限られる中で良い調整の場となったようだ。今年は2種登録もされるキャプテンの小澤、前澤といった決勝に出場した選手に加え、予選リーグでは同じく2種登録を受けるU-17日本代表候補GK涌井寿大(新3年)もプレー。小澤は「コンディションがあまり上がっていなかった選手も試合に多く出られたと思うので、そこの部分は良かった」と語る。

今週末からはいよいよプレミアリーグが開幕する。今年から初めてU18チームを預かる森田監督は相対的な評価は避けつつも「力はあるかなと思っています」と期待。小澤主将は「今年は後ろからうまく繋ぎながらゴールを決めたり、時には泥臭い部分も出して試合に勝てるチームが理想。やっぱりタイトルというのは意識しているので、そこは取りたい」と意気込みを語った。

石黒登(取材・文)

試合結果

健大高崎 0-2 大宮アルディージャU18
0(前半)1
0(後半)1

最優秀選手

MF登丸楓吾(新1年)

優秀選手

 

DF大西海瑠(新1年)
DF斉藤秀輝(新1年)
MF菊浪涼生(新1年)
FW磯崎麻玖(新1年)