代役FWが指揮官も驚く活躍! 浦和南は立沢太郎が2試合連続ゴール。決勝もチームの勝利のために「とにかく走る」

浦和南は3回戦・成徳深谷戦を前にFW三上倫空(3年)が練習中のアクシデントで大事を取る形に。その中で代役を務めるFW立沢太郎(2年)が指揮官の想像を上回る活躍を見せている。

急遽の抜擢にも「いつでも行けるという気持ちにはしていた」という立沢は、準々決勝の浦和東戦でエリア内のこぼれ球を振り抜き、チームを波に乗せる先制点をマーク。そして迎えた準決勝・立教新座戦でも1-0の前半AT、右SBの安田航大(3年)から絶好のクロスボールが入ると、滞空時間の長い、軸のブレないヘディングで流し込み、2試合連続ゴールを決めてみせた。

野崎正治監督も「最初の相手を崩すような部分で起用した中でゴールもちゃんと取っているというのはちょっと驚き」と言うように、浦和南にとって良い意味でサプライズとなっている。

しかし、本人は「今日は裏に抜け出すタイミングが自分の中で合っていなかった。守備面でも前に蹴らせてしまったり、ドリブルされたりしたので、もっと一歩を近く、ボールが取れる距離まで詰められるように高めていきたい」と反省点を口に。ゴールについても「1点で満足しちゃダメ。2点、3点と貪欲に狙っていければ良かった」と試合を通じて課題も多く見つかったようだ。

この1年の成長にはフィジカル面を挙げる。この6月からチームは1、2年生を中心に外部からコーチを招いて朝のフィジカルトレーニングを実施。その中で立沢はライバルFWに負けないよう、「スピード面で上回るのを意識して」武器を強化。そしてそれが「ちょっとずつ自分の力になってきている」と実感している。放課後になれば三上やFW丸山竣也(3年)といった自分とは違う“うまさ”という特徴を持つ先輩FWたちのプレーを見て学びながら成長に繋げている。

「とにかく身体で負けず、スピードで勝って、すべてをワンタッチで決められるようなFW」が理想形だ。C.ロナウドのプレーを参考にしながら一発で仕留めきることが出来るFWを目指す。

決勝に向けては「間違いなくいままでで一番厳しい試合になる。しっかりと準備して何があっても想定内というのを常に自分の中で考えたい」としっかり準備して臨む構え。その中で「結果を残せたらいいし、最終的にはチームが勝てればいい」という2年生FWは「自分が犠牲になって少しでもチームが勝てるように出来たらいい。とにかく走る、それだけは絶対に土台なので、そこはとにかく追求したい」とチームのために走り、献身的な姿勢で前からチームを鼓舞していく。

石黒登(取材・文)