今季昌平第1号はMF篠田翼。注目1年生のひとりから主力へ。そして先を行く同級生を追い越せるように
プリンス関東第2節・東京Vユース戦に臨んだ昌平MF篠田翼は「守備から相手の良さを消して、自分たちの良さを出すというのがベースだった。攻撃はいつも通りやれば通用すると思ったので、守備を意識してやっていました」と、立ち上がりから前線からの連動した守備で貢献。
その中で「攻めている時間があってもシュートが少なかった。引水タイムに入った後くらいにシュートを多くしようというのを言われて、ちょっと意識が変わった」とゴールへの意識を強めると前半37分、MF篠田大輝からのパスを呼び込み、今季昌平第1号をネットに流し込んだ。
アシストの兄・大輝は選手権2年連続ゴールの実力者。「俺が中3でお兄ちゃんが高1の時に久我山戦でゴールを決めていてすげえなと思った。でも高校に入って自分も負けたくないなという気持ちが大きいです」と翼。前年度の選手権1回戦・高川学園戦では途中出場すると2点ビハインドからチームを勢いづける追撃弾。その後同点弾を決めた大輝にヒーローの座をさらわれることにはなったが、兄譲りの勝負強さを発揮したことは記憶に新しい。
昨年からチームも大きく変貌した中で、今年最初の公式戦では右MFとしてスタメン出場。「やっぱり自分がチームを引っ張っていけるようになりたいし、主力になりたいというのはあります」と、今年は注目1年生のひとりから主軸へとなることを心に描いている。
その中で刺激となっているのがMF荒井悠汰らFC LAVIDAの同級生たちの存在。「(MF佐藤)海空斗とかも、選手権の埼玉県の決勝も海空斗は出ているのに自分は出ていなかったし、中学の時も海空斗は代表に選ばれているけど自分は選ばれていなかった。そういう面ではちょっと負けていたので、高校では逆転というか、自分も活躍できたらと思っています」。
「自分でドリブルで打開するとかは武器だと思うので見てほしいと思います」とこちらも兄譲りの突破力は武器。昌平入学後は一時パスに傾倒する部分もあったというが、「ちょっとドリブルが足りないなというのはここ最近感じていて、もっと自分の良さを出していけられたらなと思っています」と今年はドリブルも増やしていく構えだという。自分の良さをどんどん発揮しながら昌平の主力として成長し、そして先を行く同級生たちを逆転する。
石黒登(取材・文)