埼玉県出身プレイヤーで見る、全国高校サッカー選手権大会準決勝プレビュー
全国高校サッカー選手権大会は9日に準決勝を開催。埼玉県代表の昌平は昨年に続き、残念ながら準々決勝で敗退ということになったが、今回ベスト4に残ったチームはいずれも主力に埼玉出身選手を含んでおり、ここから先はそういった楽しみ方をするのも面白いかもしれない。
レジスタ出身GK熊倉ら堅守の山梨学院。帝京長岡は葛岡、石原の埼玉2トップで挑む
昌平を破った山梨学院は堅守が自慢。主将のGK熊倉匠は前所属はFC東京U-15深川だが、埼玉県出身でジュニア年代はレジスタFCでプレー。昌平戦でも的確なポジショニングやコーチングでチームの勝利に貢献。後半の決定機を防がれたMF須藤直輝は「熊倉がうまくて、そこを剥がせなかった」と悔やんだ。3回戦ではPK戦で最後のキッカーをストップするなど活躍を見せるGKはいまだに無失点を継続中。矢板中央のGK藤井陽登と並び、今大会屈指の守護神だ。
またそのほかにも埼玉勢が多数在籍。サイドバックの鈴木剛(クラブ与野)やボランチの石川隼大(グランデFC)、MF新井爽太(FC深谷)と右を主戦場にしている選手が多く、攻守において右サイドはチェックしておきたいところ。1回戦で味方とバッティングし負傷離脱したCB板倉健太(CAアレグレ)はメンバー外が続いているが、準決勝の出場はどうなるだろうか。
その山梨学院と準決勝で当たる帝京長岡は2トップが埼玉勢。戸塚西中出身のFW葛岡孝大は3回戦の神戸弘陵戦でその後の逆転に繋がる同点弾をマークすると、準々決勝の市立船橋戦でも先制ゴールを奪って2戦連続ゴール中。3回戦で負傷し準々決勝を欠場した10番FW石原波輝(ACアスミ)の出場は不透明な状況だが、復帰となれば帝京長岡にとって大きな力となる。
青森山田DF内田がロングスローで大会席捲。矢板中央の中盤で強さを見せる2年生MF大畑
青森山田のDF内田陽介(クマガヤSC)が大会を通して大きな存在感を放っている。昨年大会でも自慢のロングスローで話題となっていたが、今年はそこに質やスピードなどが加わりさらに相手DFにとって脅威に。3回戦の帝京可児戦ではロングスローから3ゴールを演出すると、準々決勝の堀越戦でもロングスローとクロスで2アシストを決めるなど大会を席捲している。
対する矢板中央はボランチの大畑凜生(大宮西カリオカFC)が埼玉出身プレーヤーだ。2年生ながら強豪校の中核を務めるMFは球際の強さやハードワーク、空中戦などが武器。昨年の4強越えへ、相手は巨頭・青森山田だが、球際の勝負で流れを引き寄せて決勝進出となるか。
石黒登(取材・文)
埼玉県出身プレイヤーリスト
山梨学院 GK 熊倉匠 3 埼玉県 FC東京U-15深川
山梨学院 GK 磯部圭佑 3 埼玉県 クラブ与野
山梨学院 DF 板倉健太 3 埼玉県 CAアレグレ
山梨学院 DF 加藤豪太 3 東京都 大宮アルディージャU15
山梨学院 DF 鈴木剛 3 埼玉県 クラブ与野
山梨学院 MF 石川隼大 2 埼玉県 グランデFC
山梨学院 MF 新井爽太 3 埼玉県 FC深谷
山梨学院 MF 山田結大 3 埼玉県 ACアスミ
山梨学院 FW 鈴木健世 3 埼玉県 CAアレグレ
帝京長岡 FW 石原波輝 3 埼玉県 ACアスミ
帝京長岡 FW 葛岡孝大 3 埼玉県 戸塚西中
青森山田 DF 内田陽介 3 埼玉県 クマガヤSC
青森山田 DF 多久島良紀 1 埼玉県 大宮アルディージャU15
矢板中央 GK 高田翔太 3 埼玉県 クマガヤSC
矢板中央 DF 山越結平 2 埼玉県 前橋FC
矢板中央 DF 栗原朝陽 3 埼玉県 1FC川越水上公園
矢板中央 MF 大畑凜生 2 埼玉県 大宮西カリオカFC
矢板中央 FW 久野木力丸 2 埼玉県 EC JOGADOR