MF須藤直輝が待望の今大会初得点、また前回大会に続き２大会連続となるゴールを決めた。

昌平は１－０で迎えた前半38分、須藤も参加した前線からの守備でボールを奪うと、背番号10は次の挙動で身をひるがえして一気に前へ。FW小見洋太にスルーパスを要求すると、最後はキーパーの飛び出しをしっかりと視界に捉えながら右足ワンタッチで流し込みネットを揺らした。今年はチームの立ち上げから「攻守一体」を意識しながらトレーニングをしてきたという中で、素早い切り替えや攻守の距離感、攻撃的な積極性など、まさにそれが詰まったゴールだった。

これで２年連続の選手権でのゴール。それでも自身の調子については「もっとできる」と力を込める。「やっぱり全国大会ということでマークも厳しいが、その中でいかに自分がもっとドリブルだったりでチャンスを作れたらと思っている」。この日は前半に３点を奪った中で後半は連戦の疲れもあり、ややスローダウン。また１回戦の高川学園のように昌平に対し、対策をしてくる高校も多い中で難しい状況はあるが、それを乗り越えて得点やアシストでチームを勝利に導く。

「去年は２得点（興國戦と青森山田戦）を取っているので、去年の自分は絶対に超えたいと思っている。これからもゴールを取り続けるうえで、今日のこの１点はでかいなと思っています」。

プレッシャーもプラスに変えながら前進を続けるエースナンバー10が、ここから量産体制に入る。

石黒登（取材・文）