高校サッカー選手権埼玉大会決勝トーナメント展望
シード校の27校と、1次予選ブロックを勝ち上がった25校の総勢52校が全国出場を目指した決勝トーナメントを争う。10月15日(土)から1回戦が行われる。決勝トーナメント開催を前に、長く埼玉サッカーを取材しているライター河野正さんにトーナメント展望をお願いした。
第95回全国高校サッカー選手権埼玉大会は15日、高校総体に出場した昌平と聖望学園などシード27校のほか、8月の1次予選を勝ち抜いた25校を合わせた52校が参加して決勝トーナメントが始まる。決勝は11月20日午後2時5分、埼玉スタジアムでキックオフされる。
優勝争いは高校総体4強の昌平を中心に展開され、県S1リーグ首位の武南や前回8強の聖望学園、連覇を目指す正智深谷、前回準優勝の西武台や同ベスト4の浦和東、関東高校大会と高校総体の両予選でともに準決勝に進んだ狭山ヶ丘あたりが絡んでくると思われる。
昌平はJリーグ広島加入が内定しているMF松本、スピード豊かなFW本間、U-19日本代表のMF針谷らがリードする攻撃に迫力がある。センターバックは1、2年生だが主将のボランチ新垣を軸に守備も安定している。武南か浦和東との対戦が予想される準々決勝が、準決勝や決勝よりも難関になると見る。
残り1試合のS1リーグで、昌平と引き分け以上なら優勝が決まる武南は、持ち前のパスワークと組織力やFW各務の得点力などで10年ぶりの頂点を狙う。浦和東との対戦が有力な3回戦をどう乗り切るか。両校は昨年も2回戦で当たり、浦和東が延長の末に勝利した。
聖望学園は高校総体に初出場し、FW高木を中心とした攻撃が全国レベルにあることを証明。両サイドバックの旺盛な攻め上がり、守備ラインを高く維持した陣形、多彩なセットプレーなどを武器に初の4強以上を目指す。関東高校大会予選を制した正智深谷は、昨年の優勝メンバーが多数残った。MF小山の展開力、FW田島の突破力に加え、経験豊富なGK戸田が最後尾からまとめる守備は手堅い。
昨季3冠の西武台は今季の戦績こそ芳しくないが、S1リーグでは現在3位。同リーグで1勝1分けの成徳大深谷と当たる1回戦は屈指の注目カードだ。最近5年間で準決勝以上に4度進んだ関東高校大会予選4強の浦和東も、FW広井やMF米田が引っ張る攻撃陣に威力がある。
狭山ヶ丘は不気味な存在だ。高校総体予選は準決勝で昌平にPK戦負け、関東高校大会予選も準決勝で正智深谷に0-1といずれも優勝校に惜敗。速さと強さを備えた小川大と野村の2トップは脅威で、粘り強く忠実な守備陣も頼もしい。成徳大深谷-西武台の勝者と対戦しそうな3回戦が最初の正念場だ。
ともに前回ベスト8の市立浦和と国際学院のほか、浦和南や大宮南、西武文理、S1リーグで武南に唯一勝った浦和西なども力はある。
(了)