藤島崇之監督、村松明人コーチインタビュー「変化が楽しみな佐藤海空斗そして楽しみなLAVIDA出身の一年生たち」

「昌平の強さを探る」第四回

ここ数年で全国でも強豪校の仲間入りを果たした昌平高校の強さを探る。第四回は昌平の下部組織的存在であるFC LAVIDA初の世代別代表選手となった佐藤海空斗をピックアップ。また佐藤だけじゃない、LAVIDA→昌平の期待の1年生について語ってもらった。※このインタビューは活動自粛前に行われたものです。

―FC LAVIDAとして昨年初の世代別代表選手となった佐藤海空斗くんについて村松明人コーチ

:小6で見た時はもう身体はある程度できていて、「この子はどうなんだろうね」というところで多分Jクラブは取らなかったんですよ。伸びきった身体だというところで、いわゆる早熟。ただ、単純に僕は良い選手だと思ったし、やっぱりLAVIDAに入ってサッカーがすごく変わっていった部分はあるので、1年から外せなかった選手ですし、海空斗は高校でものすごく変化するかもしれないですね。

サッカーの質というところに関してはまだまだ足りない。ただほかの選手にはできないものを持っていて、ドリブルの使い方だとか、ボランチなんですけど中央突破に絡めるような選手なので、いままでの昌平になかなかいないタイプかもしれないですけど、こいつが昌平のトレーニングで変わっていけばちょっと面白いと思いますね。誰にもない武器を持っているし、素材的には間違いないと思うので。

佐藤海空斗選手

―LAVIDAに入ってプレースタイルは大きく変わったと

村松:プレースタイルは変わりますね。LAVIDAに入ってから変わるのはもうほぼ全員です。トレーニングが全然違うので、これはもう全員変わります。前目の選手はそのまま自分を出す感じでしばらくやることが多いんですけど、ただ後ろからのサッカーの考え方だったり、サッカーのスタイル、個人のスタイルだったりというのはやっぱりだいぶ変わりますね。サッカーの概念的なところも変わっていく。その辺はちょっとLAVIDAとしても売りにしています。

海空斗なんかはめちゃめちゃ変わったと思います。もともとCBとか後ろでやっていて失点すると前に行くみたいな、昔風の選手ですよね。でもめちゃめちゃ変わったと思いますよ。こいつは「ドリブルの武器」を持つだけで、これだけ変わるんだというくらい変わったと思います。

―どのあたりをもっと磨いていけば上でも通用できる選手になれるか

村松:ボランチとして一般的なボランチ像というものからちょっといま離れているので、もちろん荒削りなんですよね。プレーの質的なところはあまり高くないので、もっと周りを見るだとか、周りの把握みたいなのも絶対に必要だし、ファーストタッチの質的なところも大事。そういうところの部分を少しこれまではドリブルでごまかしていた感があるんですよ。それが高校でちょっと埋まってくるようなイメージはあります。こいつは多分ちょっと面白いんじゃないですかねホント。変わったらとんでもなくなるんじゃないかなとは思いますけどね。

ドリブルという武器はあるので、ポジションを動かせば2列目でもプレーできます。ただこいつなりに多分ボランチのイメージはあると思う。適当に前をやらせればやっぱりいいですよ。いまの昌平の中にパンと入れてもある程度やれそうな感じはあります。

プレーの質的なところはやっぱり多分代表でもまだまだ要求されている部分なんじゃないですかね。ただコンタクトの強さだとか、ボールを奪うだとか、そういうところに関してはある程度のレベルはあるのかなとは思うので、そこにプラスしていければいいと思います。

ただこじんまりしちゃっても嫌なんですけどね。パスだけとか、組み立てだけとかじゃなくて、やっぱり点を取る力とか、突破力とか、3列目くらいからどんどん駆け上がっていくようなイメージがある。「プレーゾーンが広い」っていうところが結構ポイントだと思います。だからこそあまり枠にとらわれずにやりながら、成長していけばいいんじゃないかなとは思いますけどね。

荒井悠汰選手

―昌平のボランチは最激戦区ですが、藤島監督としてもやはり楽しみな部分も

藤島崇之監督:楽しみですよね。といいながら柴(圭汰)と(小川)優介がその前にいるので(笑)。あそこは結構固いですからね。だからさっきも言いましたけど、やっぱり2列目とかもありでしょうし、1列前だったらイメージが湧きますよね。

(2列目だったら)中央でもサイドでもいい。うちは中盤のポジションはちょっと動かしながら流動的にやるので、そういう部分でもありかなと思います。そうすると必然的にボランチにも下がってくるような状況もできて、優介がちょっと上がってみたいな感じにもできる。ちょっと最近柴くんも色気を出してきたので(笑)。

佐藤だけじゃない。有望株の多い新1年生たち

藤島:で、佐藤海空斗だけじゃないんですよ、これがまた。

村松:ひとりやばいのがいるんですよ。なんでこいつ代表に呼ばれないんだろうっていうやつが。

藤島:(荒井)悠汰? 多分そいつはえぐいと思いますよ。最初に結果を出しそうだよね。パッと入ってパッと点を取りそうですね。

村松:こいつがプロに一番近いんじゃないかなと思うんですけどね。

藤島:あと篠田(大輝)の弟(翼/昨年のLAVIDAキャプテン)がいますからね。

篠田翼選手

村松:その3枚はちょっといいですね。

藤島:サイドバックもいいですね。左の武村(圭悟)はスムーズ。あとボランチで海空斗と組んでいた(津久井)圭祐っていうのがいるんですけど、これもいいですね。もうひとりのサイドバックもいいし、センターバックもいい。FWもいいです。だから結構いいんですよ(笑)。

村松:これがみんな上がるんですよ。だから結構今年は面白い代だと思います。いままでにないですね。サブの選手も全国ではスタートで行ったりだとか、いろいろゲームには絡んでいた選手たちです。

藤島:この前も練習試合に高校生と一緒に連れていって出しましたけど、まったく違和感なかったですね。うちの高校生の方が違和感あったらどうしようかなって(笑)。新2、3年も「こいつらが来たらやばい」って危機感も持っていると思います。身体的にももう出来上がっているというくらいボディーも仕上がっていますよ。

〇佐藤海空斗らLAVIDAの選手たちのプレーはこちらから
【LAVIDA公式YouTubeチャンネル】

 

石黒登(取材・文)