[選手権]「自分のせいで負けた」。10番がすべてを背負った高校ラストゲーム、決め切れなかった一撃と山口豪太の涙、その先に続く物語

「自分が点を取れなかったので…、自分のせいで負けました」。その背中に、すべてを背負っていた。第104回全国高校サッカー選手権大会3回戦。昌平は帝京長岡に0-1で敗れ、全国の舞台を去った。試合後、湘南内定の10番MF山口豪太(3年)は、誰よりも強く自らを責めた。
固い5-4-1のブロックを敷く帝京長岡に対し、昌平はなかなか最後の部分でゴールに迫っていくことができない。山口自身も相手の強度と連動した守備に前を向かせてもらえなかった。
それでも、30分に中盤からドリブルで持ち出し、41分にはMF飯島碧大(2年)のクロスにダイビングヘッドで飛び込み、ゴールに迫った。後半2分にはMF工藤敦士(2年)の浮き球スルーパスのこぼれ球を、迷いなく右足で振り抜く。だが、この一撃もゴールには届かなかった。
「あのこぼれ球のシーンは、絶対に決めなきゃいけない場面だった。あれが一番の後悔です…」。人目もはばからず、大粒の涙を流しながら語ったその言葉が、この試合の重みを物語っていた。
系列のFC LAVIDA時代から注目を集め、川崎内定MF長璃喜(3年)とともに下級生時から昌平の攻撃を牽引してきたWエースの一角。芦田徹監督も「スペシャルなものがある選手。かなりのプレッシャーがある中で、よく取り組んでくれた」と評価する。その言葉とは裏腹に、本人の中に残ったのは、悔しさだけだった。「本当は、最後は自分が点を取って勝たせたかった」。
LAVIDA時代から数えれば6年間。ともに戦ってきた仲間たちと過ごした時間が、この一戦で一区切りとなった。「みんなともっと楽しみたかった」。その想いが、涙とともにこぼれ落ちる。
それでも、時間は戻らない。山口は前を向く。「この悔しさを実感して、次に行くしかない。もう次は、悔しい気持ちをしないように頑張りたい」。決め切れなかった現実。背負い切った責任。そのすべてが、次のステージへ向かう原動力になる。山口豪太の物語は、ここからも続いていく。
石黒登(取材・文)


