[S1]成徳深谷FW頓宮琥太郎、最終節で決めた“リーグ初ゴール”。参入戦初戦はクマガヤ同級生対決「負けられない」

最終節でタイトルに大きく前進するリーグ戦初ゴール。成徳深谷は0-0の60分、DF山谷康太朗(3年)の右CKに188cmの長身FW頓宮琥太郎(3年)がタイミング良く入り、頭で叩きつけてゲット。引き分け以上でほぼ自力での優勝が決まる中で、貴重な先制ゴールとなった。

前節の武南戦は前日が受験だったこともあり、ベンチ外に。怪我のFW川上稜介、DF佐々木亮(ともに3年)ら主力複数枚を欠いていた成徳深谷は1-3で敗れ、今季リーグ2敗目を喫した。

「最終戦は自分が出て勝ちたいっていう気持ちが一番あって」という頓宮は、最終節の浦和南戦で前線のターゲットマンとしてスタメン出場。前半は競り合いで勝てないところや、やりにくいところもあったという中、後半は成徳深谷が流れを持って敵陣で攻撃する時間を増やしていく。

すると60分、強みのセットプレーでゲームを動かす。「蹴る前に(ゴール前に)入る5人で集まって、どこに入るかみたいなのを(横山)大平を中心に決めていて。自分は毎回いつもファーに入っているんですけど、得点シーンはキーパーのちょっと後ろみたいな、真ん中らへんに入った」。成徳深谷はCKの際、左右2人のキッカーを立たせる中で、このタイミングで切り替わったレフティの山谷にインカーブのボールを要求するとヘディングで叩き、ネットを揺らした。

「完璧でしたね。気持ちよかったです」という1点はリーグ戦初ゴール。トーナメントでの得点はあった中で「リーグ戦は今回(初ゴール)だったので、この最終節で優勝がかかったところで決められて良かったです」。その後、1-1の85分にFW鈴木晴琉(3年)と交代したが、チームは88分、FW関根大和(3年)のPK弾で2-1で勝利。初のS1リーグ制覇を果たした。

今年のチームの強さについて頓宮は「チームの雰囲気が本当に良くて。1年生は数人しかいないんですけど、特に2、3年の壁がもうほぼないみたいな感じ。サッカーの中だと2年生からも結構言ってきてくれるし、そこの壁のなさっていうのは今年の強さだったと思います」と話す。

選手権予選では準決勝で昌平に延長戦の末に逆転負けし、初の全国には届かなかった。「1週間くらいはチームの雰囲気も落ちていた」という中で「佐々木がチームのムードメイカーで中からも外からも盛り上げてくれる存在。いま怪我をしているんですけど、外から「プリンス行くぞ!」「優勝するぞ!」みたいな声をかけてくれて。自分も仲が良くて、結構力になって、自分も言うようになって、そこから多分だんだん勇気をもらっていたと思います」と陰の功労者も明かした。

プリンスリーグ関東2部入りをかけた参入トーナメント1回戦の相手はクマガヤSC時代のチームメイト、GK佐藤寛太とMF大島基誠(ともに3年)がいる常磐(群馬)に決定。「多分やり合いになると思うんですけど、絶対に負けられないです」と旧友との対戦に意欲を燃やす。

「参入戦はより厳しい試合になると思うんですけど、公式戦もできて残り2試合っていうところで最後、残り2つ勝って高校サッカーを終わりたいです」。卒業後は関東リーグの大学に進学予定。その前に自分を成長させてくれた成徳深谷でやりきって、笑顔で次のステージに向かう。

石黒登(取材・文)