[S1]先輩の想いも背負い、初Vに花添える決勝PK弾。成徳深谷FW関根大和「成徳が強くなるために」、覚悟を持って参入戦へ

引き分け以上でS1優勝が決まる成徳深谷は1-1の88分、10番FW関根大和(3年)がエリア内で倒されペナルティキックを獲得。「いつもは横山(大平)が蹴るんですけど、自分で蹴りたかったので蹴らせてもらいました」という関根がど真ん中に蹴り込んで決勝ゴールを奪った。
「(お世話になった)先輩がいるんですけど、先輩の想いも背負って今日戦ったので、ゴールできて良かったです」。その先輩というのは昨年のキャプテン、MF稲積俊音(現・亜細亜大)だ。
同じく昨年まで寮生で「めっちゃ成徳のこと好きなので」という先輩MFは、いまもチームのことを気に懸けてくれる存在。「先輩とも電話して、「やっぱり勝たないと、成徳がここから強くならない」っていうのは言っていた。そういう先輩の想いを繋げられて良かったです」と喜んだ。
「絶対に決めてやろうと思っていた」というこの日は、43分にこぼれ球からの決定的なシュートがクロスバーに。「やっぱり浦南でやり合いっていうのはわかっていて、そこでどれだけチャンスをものにできるかっていうところで、ちょっと前半は不甲斐ないプレーだった」と振り返る。それでもストライカーとして後半も前線で戦い続け、PK奪取からの右足の一蹴で勝負を決めた。
選手権予選からは怪我のMF白川成夢(3年)に代わりエースナンバー10を背負う。「多分あっちはやっぱり嫌だったと思う。それを後悔させないように頑張ろうとは思っていました」。準決勝の昌平戦では鋭いターンから先制ゴール。また、「自分が勝たないとチームが前進しないので、そこは勝たないととはずっと思ってました」という競り合いや起点となるプレーも見せていた。
しかし、その後チームは後半に同点とされ、延長後半に勝ち越しゴールを奪われて敗戦。「自分のことを応援してくれる後輩とかもいるので、その気持ちに応えられなかったのは悔しかった」。その悔しい想いを糧に臨んだラストのリーグ3戦。直近の2戦はゴールがなかった中で「絶対にここで取るしかないなと思っていました」と最終節に臨み、決勝弾でS1初優勝に花を添えた。
20日からは来季のプリンスリーグ関東2部昇格を懸けた参入戦に臨む。「成徳が強くなるためにも、ここが一番大事だと思う。やっぱり得点で勝たせたい」。成徳深谷としての成長曲線を鈍化させないためにも、覚悟を持って臨み、エースストライカーとしてゴールという形で昇格に導く。
石黒登(取材・文)


