「自分が決められなかったから、負けたと思っています」。関東U-18女子サッカーリーグ１部・第４節。昇格１年目の昌平はジェフユナイテッド市原・千葉レディースU-18に０－１で敗れ、今季初白星とはならず。10番を背負うMF鈴木志真子（３年）は静かに悔しさをにじませた。

鈴木は昨年、主力として県２冠に貢献。冬の全国高校女子選手権では昌平初の“全国の舞台”でもプレーした。経験を積んで３年生となった今季は、10番をつけてチームの中心を担っている。

千葉戦はシャドーでスタートし、途中から中盤に下がって試合をコントロール。「自分がボール持って落ち着かせないといけないですし、起点となれるようにやっていこうと意識しました」。ボールに多く関わって、攻撃のリズムを作ろうと試み、実際に昌平がペースを握る時間もあった。

一方で「もっと味方に楽をさせてあげたかったです」と反省も。「味方のどっち足につけるか、一個前に出したり、相手がいない方に出すとか。あとロングキックの精度もあまり今日は良くなかったのでもっと良くしていきたい」。後半は縦への持ち出しで攻撃のスイッチを入れ、終盤には自らドリブルシュートで狙う場面もあったが、「満足しちゃいけないと思います」とした。

2部を戦った昨年と比べても、１部リーグでの強度は明確に感じている。「守備の強度も高いし、相手がボールを持ったときに取り切れなかったり、回されたりして、ボールを持てる時間が少なくなっている」。その中でも「まったくやれていないわけではない」という実感も。個人としても「ボールを保持するとか、守備の部分で詰めるところとかはできていると思います」と話す。

その上で最後勝利に持って行くために「自分が点を決めたいです」。「森田（光哉）先生にも求められているように、中にドリブルで入っていって、シュートやアシストで違いを作れるようになりたい」。チームとしても毎試合決定機は作れているだけに「自分が決める」ことで勝利に導く。

今年はエースナンバーを背負う中で「ちょっと自分でいいのかなっていう部分もあるんですけど、でもなったからにはみんなを引っ張っていきたいですし、そこから絶対に逃げずに、もう突き進むしかないです」。責任と自覚を胸に、まずは一戦一戦に向き合いながら初勝利を目指す。

石黒登（取材・文）