[総体]昌平MF長璃喜、準々決勝に続き2試合連続の先制ゴール!プレーの幅広げる注目MFは進路注目も「いまはインハイ」
注目MFが2試合連続の先制ゴールだ。「やっぱり先制点は初戦の川口市立から意識していたので、流れを掴む意味でも意識していました」という昌平MF長璃喜(3年)は前半18分、右SBの安藤愛斗(3年)のグラウンダーのクロスに走り込んでダイレクトで合わせて試合を動かした。
「前回の試合も愛斗から決めたんですけど、愛斗が抜けたらキーパーとセンターバックの間をスプリントして狙うというのは練習からやってたことなので、練習通りにいけたかなと思います」
ゴールは先に触ることだけを意識し、前に飛び出してきたキーパーはあまり気にならなかったという。チームとして初戦となった準々決勝の川口市立戦でもまったく同じ形から先制ゴール。「アシさん(芦田徹監督)になってから、クロスの入り方だったり、そういうところを細かく指導してもらったので、そういうのが試合に生きたかなと思います」と2試合連弾を振り返った。
また、左サイドでボールを持った時の縦のドリブルは超高校級という評価を受ける長だが、「プレミアで対策されていくうちに、サイドで持った時に2枚超えるときついんで、中央で受けたり裏抜けしたり、受け方のバリエーションは増えたかなと」。昨年はMF大谷湊斗(現筑波大1年)という出し手がいた中で1対1の状況も作れていたが、今年は昨年以上に警戒も受ける中で1対2や対複数の状況も多くなっているだけに中央での関わりや裏抜けも意識していると話す。
この試合でも得点シーンのように裏抜けを狙ったり、中央で受けてボールを捌いてリズムを作るシーンも。その中でも武器のドリブルも見せた。「やっぱり得点のところでスプリントしたり、チャンスを見つけてやったり、あと味方を生かすオフ・ザ・ボールだったり、自分のことだけじゃなくて周りのことも考えながら動けたりしたかなと思います」とこの日のプレーを総括した。
先月はJ1クラブの練習にも参加。「守備の強度とか、(ドリブルで)引っかかったりとか、そういう面でやっぱり高校年代とはちょっと違うなと」と感じたというが、その中でも「ボールを持った時の判断とか良い状態で受けた時は全然やれた感じです」と好感触も。将来に向けても重要な時期ではあるが、一方で「進路のことよりもいまはインハイ」と目の前の一戦一戦に集中する。
「(全国)連覇っていうのは特に考えず一戦一戦、戦っていきたい」と長。昨年の夏の全国では主役級の活躍を見せたドリブラーは「チームが勝ってくれれば、チームを勝たせたいという気持ちがある」。最上級生の今年はよりチームを勝たせる意識を強めながら、その中で自分も活躍する。
「今年になって、より得点の意識は上がっている」という長は決勝に向けて「先制点が大事だと思うので。毎試合狙っていますし、3試合連続を狙いたい」とコメント。プレーの幅を広げる注目ドリブラーが再びあの場所で主役として輝くために、先制ゴールでチームに勢いをつける。
石黒登(取材・文)