「負けてられないなって」。アカデミーの先輩、同期に刺激を受ける西武台GK石田永遠が県決勝で好守連発

浦和レッズアカデミー時代の先輩や同期の活躍に刺激を受け、今年は「そこを自分も越えたいと思います」と語る西武台の守護神。GK石田永遠(2年)が新人戦ファイナルで好守を連発した。

武南との決勝は「セットプレーとかも注意してきた中で、そこで失点をしてしまったのは良くなかった」と早々の失点を悔やんだが、後半はミドルシュートに横跳びで食らいつき、相手アタッカーとの1対1にも好反応を見せてゴールを死守。34分には決定的なセーブでチームを助けた。

ファーに流れたクロスに対し「ワンタッチで打つと思って、ちょっとニアに誘っていたんですけど、トラップしてくれたので、距離を詰めて、自分の身体に当てるっていうことを意識した」「前の詰め方だったりとか、完璧だったと思います」。後半は攻守を連発して今季1冠目に貢献した。

石田はジュニア、ジュニアユースと浦和レッズのアカデミー育ち。今年は主将のDF高倉大翔(2年)もジュニアユースの出身だが、石田も「関根(雄太)先生に声をかけてもらって、やっぱり「昌平を倒して全国に行きたい」っていう想いが強くあったので」と西武台へ進学した。

昨年も選手権で日本一となった前橋育英FW佐藤耕太(3年)やアカデミー育ちの選手が各地で活躍。同期で東邦に進んだGK蓮沼俊祐(2年)は昨年ひとつ上の代でも出場機会を掴み、インターハイでは初戦でその後4強に進む米子北に敗れたが、一足先に全国の舞台を踏んでいる。

「そこはやっぱり強く思います。自分が知っている人が活躍したりとか、有名になっていくのを見て、自分も負けてられないなっていうのは思いましたし、そこを自分も越えたいと思います」

エデルソンを参考にするGKは「自分はやっぱり攻撃参加っていうところが一番武器だと思うので、自分のキックの精度だったり、自分のキックからチャンスになったりとかっていうのは見てもらいたいです」という攻撃面も強み。今大会も得意のキックからFWにつけてゴールに絡むプレーや、プレッシャーがかかった場面でもSBにつけたりしながら剥がすシーンもあった。

昨年は腰の負傷で半年間プレーできず。悔しい想いをした部分もあった。背番号1を背負う今年は「チームでインターハイ、選手権出場っていうのはやっぱり強く思って練習にも取り組んでいるので。さらにそこからベスト4に入るっていうのも目標であるので、そこはチーム全員で叶えたいと思います」。かつての仲間にも刺激を受けながら、今年は自分が全国の舞台で活躍する。

石黒登(取材・文)