武蔵越生FW森一馬、186cmの長身FWが前戦で核に。父は中学野球で全国3位「超えられるように頑張っていきたい」
武蔵越生は支部準々決勝で最大のライバルとみられた細田学園に4-0と快勝。攻守ともに充実を見せた一戦だったが、その中で186cmの長身FW森一馬(2年)の存在感が光っていた。
「相手のバックラインは5が要だった。俺が5をなんとかして周りにあとは託していたので」。この日は細田学園の184cmCB高久琉我(2年)と相対した中で前戦での高さを生かした空中戦や「最近筋トレしているので」と話す、力強い1対1で多くのボールを収め攻撃を引き出した。
「胸トラできたり、風の影響とかでたまに負けたりするんですけど、ある程度は勝てたので良かった」(森)。井上精二監督も「やっぱりあそこで相手に100%弾き返されないとかっていうところの部分も大きかった」と評価。前戦での攻防を有利に進めたことがチームの勢いにも繋がった。
また、その中で得点にも関与。2-0で迎えた前半41分、左サイドでの1対1で手をうまく使って相手SBと力強く入れ替わり、マイナスのクロスから10番MF眞崎瀧星(2年)のゴールをアシスト。さらに後半26分には「背負ったときは自信があるので、そこで得点に絡めて良かったと思います」とエリア内で確実に収め、ポストプレーからチーム4点目の起点にもなった。
「自分のストロングはやっぱり高さとヘディングなので、そこは注目してほしいと思います」というFWは、なんといっても186cmの長身が目を引くが、これでもまだまだ成長途中。「お父さんが190cmあるので、もっとでかくなるかなって」と話す。父は中学野球でエースとして活躍し全国3位。「お父さんを目標にしている」という森の目標もまた武蔵越生で全国に行くことだ。
昨年もひとつ上の代で主力としてプレーしていたが、「去年はまだ練習の雰囲気とかが全然ダメで精二さんからもいろいろ言われていたんですけど、それでも治らなくて、やっぱりあの結果になっちゃったので、今年は自分が先頭に立って、チームの雰囲気とかも上げて練習も頑張っていきたいと思っています」。最高学年となる今年はより自覚と責任を感じながらチームを牽引する。
「今年は新人戦からもちろん優勝して、一番はインターハイ、選手権で全国大会に絶対に出られるように日頃から努力していきたい」「お父さんを超えられるように頑張っていきたいです」。その全国から世界に羽ばたいたFW福田師王のプレーを見ながら「俺もああいう選手になれたらなって。チームを勝たせる選手になりたい」と話すFWが父超えを目指し、勝負の1年に挑む。
石黒登(取材・文)