浦和東は粘り強く戦い、準々決勝進出! 8強唯一の公立校、土のグラウンドもDF石﨑陽太郎「土だからこそ」「公立がエイトに行く意味ある」
「もう前が点を取ってくれる代わりに自分たちは身体を投げ出したり、もう本当にゴール前を守るだけなので。集中力を切らさず、最後まで粘り強く、ウラトンらしく戦えたと思います」
浦和東CB石﨑陽太郎(3年)は胸を張る。3回戦の埼玉栄戦は全体を通して攻め込まれる時間も長かった中で平尾信之監督も「高校生なので始まってみて、今日調子悪いなっていう試合もあると思うんですけど、その中でもなんとか凌げたのが大きかった」と守備陣の奮闘を讃えていた。
選手全員がもう身体に染みついているというキワの部分、両ゴール前で身体を投げ出す動きを徹底。相手のシュートシーンでは2枚、3枚と身体を寄せてブロックしていた。ディフェンスリーダーの石﨑も「自分めっちゃ筋トレ頑張ってて、ベンチプレスとかもめっちゃやっているので自信を持って戦えたと思います」という身体の強さを生かした1対1や空中戦で後ろを支えた。
最後のセットプレーも全員で抑えきり、歓喜の瞬間。ピッチに倒れながら、さまざまな想いが去来したという石﨑は「いままでの努力が報われた感じがして。いままで頑張って、努力してきて、スタジアムに行けるので、そういう気持ちがこみ上げてきて本当に嬉しかったです」と振り返る。
公立校では唯一のベスト8入り。8校のうち、浦和東は唯一の土のグラウンドと私学とでは環境面でも差があるが、「土だからこそ泥臭くっていうか、魂を持って、私学とかよりはそういう環境面で恵まれていなくても、土だからこそ戦えるみたいなところはある」と石﨑は力を込める。
12年ぶりの準決勝進出をかけた相手は正智深谷に決定。今年は関東大会予選1回戦で対戦し、0-4で敗れている。「関東では自分のミスとかもあって負けているのでリベンジしたい。ここで公立高校がエイトに行く意味があると思うので、しっかりと浦東魂を全員で、いろいろな人たちに見せつけられたらいいなと思います」。公立校の代表として臨み、そしてリベンジして勝つ。
石黒登(取材・文)