和倉ユース以来、約2ヶ月半ぶりのスタメンフル出場 浦和南の10番FW掛谷羽空は「自分が前にいる限り決めなくちゃいけない」

「自分が前にいる限り決めなくちゃいけない」――。浦和南FW掛谷羽空(3年)は初戦となった2回戦の坂戸西戦で久々のスタメン出場。後半はヘディングからゴールに迫る場面もあった。

掛谷は8月の和倉ユースで左膝を脱臼。復帰後も治って間もないことや選手権に万全の状態で臨むために後期のS1は残り10分など限定的な起用で、スタメン出場は約2ヶ月半ぶりだった。

「久しぶりにスタートっていうのもあって緊張はしていました」という前半はポストプレーで落としても、引いた相手にすぐに蹴り返されるなど、なかなか効果的な攻撃ができず。掛谷自身も10分過ぎに単騎で仕掛けてエリア内に潜り込むシーンもあったが、シュート0本に終わった。

後半は2トップにし、5分に途中出場のFW大角慶吾(3年)が先制点。掛谷もゴールに迫る回数を増やし、21分にDF小林大吾(3年)の左CKからファーサイドで合わせたヘディングがゴールを割ったかと思われたが、すんでのところでディフェンスがクリア。30分には裏に抜け出したが、打ち切れず。41分の抜け出しはオフサイドの判定でこの日はノーゴールに終わった。

「やっぱりそういう1本1本を決めきらなきゃいけないし、やっぱり打ち切らなきゃいけない。そういう自分の一個のプレーをやりきったり、決めなかったりすると、後ろがせっかく守ってくれても、前が決めなきゃ、後ろももう守っている意味がないことはないですけど、報われないと思うので、やっぱり自分が前にいる限りは決めなきゃいけない」。最前線にいる以上、求められているのはゴールの部分。だからこそ、もっとやらなければいけないと自分に言い聞かせる。

「去年はインハイも選手権も決勝まで行って、どっちも決勝で負けるっていう、監督が多分一番悔しい想いをしていると思うんですけど、自分も去年出させてもらっていて悔しかったので、どこが来るかわからないですけど、去年は昌平に負けたので、もう一回あの舞台に行って、埼スタで昌平に借りを返したいです」。新チームになって最初の立ち上げの目標が「先輩たちの借りを決勝で返す」こと。まずは一戦一戦目の前の戦いに集中しながらもう一度あの舞台に勝ち上がる。

伝統校の10番を背負って戦う今大会。「去年の10番(伊田朋樹)には一番アシストしてもらって、決めさせてもらっていたので、それを受け継いだからにはちゃんと自分が試合を決めきりたいです」。赤き血のイレブンの10番は「自分が決めて」チームを再びあの舞台へ連れて行く。

石黒登(取材・文)