昌平MF三浦悠代は3試合連続のゴール! 選手権は怪我で無念の不出場「今年はもうIHから全国に」

この日もゴールをこじ開けたのは7番だった。前半15分、昌平はFW鄭志錫(3年)のスルーパスに抜け出したMF三浦悠代(3年)がキーパーとの1対1を冷静に右足で決めて先制した。

「チソに入ったらサポートに行こうっていうのはいつも考えていて、チソが前を向いてくれたので、自分は裏に抜けたら点が入るっていうのはわかっていたので、あとは決めるだけでした」。縦パスが入った瞬間に動き出すと、鄭のパスを呼び込み、2試合連続の先制ゴールを奪った。

これで3試合連続、今大会チームトップの4得点目。今季はプレミアEASTでも得点ランクトップのMF長璃喜(2年)に次ぐ4得点で次点と得点を量産するアタッカーに対し、玉田圭司監督も「あいつは賢いですね。何が危険なのかっていうのを1番察知できるの彼です」と讃える。

「自分は後ろで繋いだりっていうよりは、ゴールに関わるっていうのが自分の役割だと思っているので、点は取らなきゃなっていうふうに思っています」という三浦は「良いところで受けないと自分は潰されちゃうので、良いところで受けようっていうのは点のゴール前じゃなくても、考えてやっています」。小柄な体格でも全国の強敵たちと渡り合うべく、受ける位置を意識。3回戦、準々決勝で決めたゴールは良い位置に走り込み、いずれもワンタッチで決めたゴールだ。

昨年は大抜擢を受けた選手権予選決勝で途中出場から勝負を決定づける2点目。本大会での活躍も期待されたが、初戦の2日前に左足の三角骨を骨折し、出場は叶わなかった。チームは強豪校を連破してベスト8に進出したが、「あまりこういうことを言うのは良くないですけど、自分は出ていないので、別に勝ってもそんなっていうのは……」と複雑な胸中を抱えていたという。

「怪我して出られなかったのは悔しかったので、今年はもうインターハイから全国に出てっていうふうには思っています」と三浦。あの時の悔しさはやはり全国で晴らす構えだ。「全国に出てからが本当の勝負でもあると思っているので、油断せずしっかりと自分たちの力を出して勝ちたいなと。先制点を取って前半のうちに試合を決められるような戦い方ができればなと思います」。決勝でもゴールを?と水を向けると「もちろんです」と静かだが、力強い応えを返してきたアタッカーが再びチームを全国に導くゴールを決めて、そして今度は全国の舞台でも輝く。

石黒登(取材・文)