埼玉栄FW西嶋心汰、悔しさ糧に今春昇格の2年生FWが公式戦初弾含む2得点に絡む活躍
デビュー戦は勝利したものの、自分の特徴を出せなかったという反省があった。埼玉栄は公式戦2戦目となったFW西嶋心汰(2年)が自身初弾を含む2得点に絡む活躍で勝利をもたらした。
西嶋は7日のリーグ開幕戦で公式戦初スタメン。関東予選初戦となった狭山ヶ丘戦はベンチスタートだったが、「いつでも出られる準備はしていた」という2年生FWは前半チームが相手のシンプルなサッカーに苦戦していた中で29分からピッチに立つと前線にエネルギーをもたらす。
すると後半6分、西嶋の積極的なプレーが先制点に繋がる。エリア手前で受けると「滝井先生にシュートっていうのを交代する時に言われていて、トラップした時に相手が食いついていなくてフリーだなと思って、そのまま打とうと思った」と右足を一閃。ディフェンスの足に当たりコースが変わったシュートはクロスバーを叩いたが、跳ね返りをMF落合理琥(3年)が沈めた。
さらに「点を決めたいっていう目標があった」と話す西嶋はその4分後に自らネットを揺らす。リーグ戦では自分の特徴が出せなかったと反省。「相手の背後にこぼれたボールを決めるっていうのが狙いだった」。10分、前から猛然とプレスをかけると、相手ディフェンスのバックパスが弱くなったところを後ろからカット。最後はキーパーとの1対1を制して公式戦初弾を奪った。
また、ゴール以外の場面でも小柄なFWは、周りの大柄なDFを相手に負けずに収めて起点となったり、こだわりを持っている「ファーストタッチ」で前を向くなど攻撃を活性化させていた。
1年生だった昨年は一番下のCチームでプレー。「仲が良い子たちがどんどん上がっていった中で、それが悔しかった」。その悔しさをバネに自主練を重ねながら、今春の大阪合宿も最初はBチームスタートだったが、合宿初日に途中出場したことをきっかけにスタメン出場する機会も増加。滝井友和監督も「小さいですけど、ボールが収まるし、(イーブンのボールに対して)予測して相手の前に潜り込んだり、背が高い相手にも競り合いでちゃんと取れる」と期待を寄せる。
「合宿も時と比べてもまだまだ行けるなって。それを明日以降の大会でもどんどん出せていけたら」(西嶋)。この結果に満足することなく、常に向上心を持ちながらチームの勝利に貢献する。
石黒登(取材・文)