細田学園GK米山巧馬、得意のハイボール処理で存在感を発揮 PKストップで勝利導く

 

上田健爾監督も「安定感も見せてくれているので、彼の存在っていうのはすごく大きいなとは思います」と信頼を寄せる、細田学園の守護神・米山巧馬(3年)が関東初戦で存在感を放った。

細田学園は前半のうちに先行したものの、後半9分にフリーキックからオウンゴールで失点。「そこは自分が締められなかったことが課題かなっていうふうに思います」と反省したが、一方で失点機以外では安定したゴールキーピングを披露。特に際立ったのがハイボールの処理だ。

「空中で絶対的な存在感を出せるようにっていうのは意識しているところはありますし、セービングも結構止められる方かなと思うので、そこは自分のストロングポイントだと思います」

普段の練習から高橋諭GKコーチとともに「出れるか、出れないかのギリギリのところ」にボールを出してもらい、守備範囲を広げることに取り組んでいるという米山は、浦和学院のセットプレーやクロスをシャットアウト。また、延長後半7分、相手の速攻からピンチを迎えた場面では「結構1対1みたいな感じで危ないなと思ったんですけど、ディフェンスがしっかりニアを切ってくれたので、ニアに蹴るかなと思って止めました」と決定的なシーンをストップしてみせた。

「絶対に止められるなと思っていきました」と強い気持ちを持って臨んだPK戦。1、2本目は合わなかったものの、高橋コーチからの「相手をしっかり見ろ」という声かけで冷静になれたと話す米山は迎えた3本目を左に飛んで値千金のセーブ。さらに4人目も自信を持って跳び、相手のミスを誘った。100分を超える戦いを制し、仲間たちと喜びを分かち合った守護神は「まだ1回戦を勝っただけなんですけど、このPKを勝った勢いっていうのは大きい」と力を込めた。

昨年から細田学園のゴールマウスを守るが、「去年いろいろ経験させてもらった立場と今年の立場は全然違う。去年試合経験できているのもあまり2年生ではいなかった中で、自分が経験が少ない人たちをしっかり締めて、自分の方が経験しているので、そこはプライドを持ってしっかりやっていけたら」。今年はゲーム主将を務めるが、上田監督も「リーダー性も出てきて、向上心も出てきた。そういうのがチームに浸透して、チームを上げてくれる存在になっている」と話す。

今年の3年から細田学園は全員が推薦組に切り替わり、1学年25人と少数精鋭に。「監督とかスタッフの方々からもよくあるんですけど、体制が変わった1発目なのでやっぱり結果を出さないといけない」。昨年の経験値をチームに還元しながら、強い想いを持ってこの1年に臨む。

石黒登(取材・文)