南稜MF小澤楓咲、進化したゲームメイカーが「3個先」読む絶妙フィードで決勝アシスト!
「2個先、3個先」をイメージして決勝アシスト。南稜のゲームメイカー、MF小澤楓咲(3年)は前半、絶妙なフィードから決勝ゴールとなったMF瀬下翠月(2年)の先制弾を演出した。
準々決勝の浦和西戦は相手が2ラインで守ってくる中で「まず最初にポケットと呼ばれるところに重点的に出すというのをやって、そこを狙うと必然的に空く場所が出てくる。自分も身体を逆に向けながら楔を入れる練習を何回もしたりとか、そういうのが何個も繋がって得点しそうなところまで練習でできた」。小澤を起点にチームは相手の堅守を崩しにかかる。すると6分だ。
「先生から試合中に右サイドの(瀬下)翠月を見ろと言われていた。自分でも左から来る時にもうほぼ決めていたというか、1回は見るんですけど、それでも翠月に出そうと思ってイメージをずっと描いていて3個先くらいまでイメージできて、それが本当にイメージ通りに決まったので、ひとつの完成形が見れたなっていう。昌平戦にも自信になるような先制点だったと思います」
中盤でボールを持つと、狙いとしていた「対角へのロングパス」でMF瀬下翠月(2年)の先制弾をアシスト。その後も小澤を中心に攻め込んだ南稜は3-0で勝利し、4強進出を決めた。
「攻撃のパターンが少ないっていうのが自分の課題で、ボールを持った時に侵入するのか、楔を入れるのか、散らすのかっていう判断がワンタッチ遅いくらいの差だったんですけど、それをもう瞬時に判断できるように、技術を磨くというよりかはずっと練習の中でただ普通にボール回しをやっている時に2個先、3個先をずっと考えながらやるのを癖づけて、それで攻撃もあんなに楔を入れたりフィードを入れたりできたので、自分的には攻撃の面では良かったと思います」
準決勝の相手は学校総体で敗れた昌平だ。「前回の試合は昌平のファーストタッチを自由にさせてしまった記憶があるので、そこを絶対に行くっていうのを夏は重点に、守備をとにかくやってきたのでそれをちゃんと実戦できればと思います」と持ち味でもある守備面での貢献を掲げる。
「やっぱり昌平は中を崩してくるので、守備としてもみんなを動かしながら、自分的には相手の8番をリスペクトしているので、そこは絶対に個人的に負けないのと、みんなのカバーもしっかりやりながら、その中で点が入らないとか、1点ビハインドとか、そういった状況になった時にはみんなの気持ちも落ちてくるので、メンタルの部分も3年生として上げていけたらいいなと」
昌平の8番、MF伊藤万桜(3年)は同じポジションで対峙してきた好敵手。ともに攻守でチームの流れを作ることができるプレーヤーなだけに、ここでの攻防戦がひとつ鍵を握りそうだ。
石黒登(取材・文)