関東大会では手応えも得て優秀選手入り 埼玉平成MF三木響介は得点にもこだわりハットトリック達成!

「やっぱあそこで取り切れなかったので」。上位大会で感じた得点の部分にこだわりゴールを量産。埼玉平成MF三木響介(3年)は総体予選3回戦の朝霞西戦でハットトリックを達成した。

関東予選準優勝チームとして今大会はベスト16からの登場となったが、初戦はやや苦しんだ。

「相当難しかったですね。やっぱり相手も勢いがあって、カウンターも怖くて。結構自分たちの苦手なプレースタイルっていうのもありましたし、初戦も重みもあって、きつかったです」。三木自身も「ボールももらえないし、守備もできない。前半は全然何もできなかった」と振り返る。

それでも後半は得点への意識を強め、18分にDF佐藤快(3年)のクロスをヘディングで合わせて先制点をマーク。直後に同点弾を浴びたが、前半の1アンカーシステムから2ボランチになったことにより前に出る回数を増やし、25分にもエリア内で収めて反転から決定機を迎えた。

試合はそのまま延長戦を迎えたが、「やっぱり点を取りたいっていうのは前々からあって。点への欲が出ましたね」というMFが80分以降も一番ゴールに近い存在に。延長前半7分にはセットプレーからの混戦を流し込んで勝ち越し弾。さらに延長後半は足を攣らせて前線に残っていた中で足を伸ばしてボールをカットし、GKとの1対1を冷静に流し込んでハットトリックとした。「でもやっぱり0で抑えたかったですけどね」と1失点を悔やんだが、昨年の関東予選1回戦以来となるハットトリックに「上がれば点を取れるなという気持ちがあった」と自信を見せた。

先の関東大会では、中盤底でボールを引き出し、ドリブルで運び出してチャンスメイク。大会後には優秀選手のひとりにも選出された。本人としても「やれるなとは」と手応えを感じた一方で、「でもやっぱりそういう時も点を取りたいですよね。やっぱあそこで取り切れなかったので」。ゲームコントロールに加え、より勝たせられる選手になるために、今大会はゴールにもこだわる。

三木にとっても「大きかったですね」と話す準決勝の日大藤沢戦(0-6●)。「やっぱりあれに勝つには県でも上位に入らないとなって。上位に入って、プレッシャーのある中で、自分たちのプレーをして勝てるようにしたい」。初の関東大会で全国区の強豪と戦う中で得た手応えと新たなものさし。それに自分を合わせながら、上位との戦いの中でさらにもう一段、二段成長する。

石黒登(取材・文)