成徳深谷MF福島叶都が“日跨ぎ”のハットトリック達成! 巡ってきたチャンス掴む
雷の影響で試合が中断、19日に前半35分からゲームを再開した関東予選2回戦・成徳深谷対市立浦和の試合で珍記録。成徳深谷MF福島叶都(3年)が“日跨ぎ”のハットトリックを達成した。
トップ下でスタメンした福島は16日に行われた中断前のゲームでも2ゴールをマーク。立ち上がりの前半3分、セットプレーからのこぼれ球を詰めると、34分にはFW秋本光瑛(3年)がすらしたボールをフリーで受け、エリア左から右足で逆サイドネットにスパンと突き刺した。
福島は「この前の2点は自分の中でも出来すぎていた」と苦笑いを見せつつ、「今日の試合の中でもチームに貢献して、点は取りたいと思っていた」と、貪欲に3点目を狙っていたという。
するとその機会が巡って来たのが後半11分だ。セットプレーの2次攻撃から左SBの鈴木嵐(3年)が中央にボールを上げると、混戦をヘディングで押し込んでハットトリックを達成した。このゴールで3-1とした成徳深谷は、その後も優位にゲームを進めて新人戦に続き市立浦和に勝利。為谷洋介監督も試合後「ナイスゴール!」と声をかけ、殊勲のMFをねぎらっていた。
そんな福島だが、新人戦は出場していたものの、今月開幕したS1リーグではなかなか出場機会を獲得できず、もがき苦しんでいた。チームでは同じ福島性のMF福島雪翔(2年)が台頭。10番に据えた2年生MFをベースとしたスタイルを構築していく中で出場機会を失っていった。
「出られなくなって、ラスト1年、このまま終わっちゃうのかなと思ったり…」。不安は焦りとなり、途中出場した試合でもチャンスを掴み切れない展開が続いていた。「それでも腐らずにやり続けてきた」MFは福島雪の負傷によって巡ってきた機会で、トップ下で初先発を果たすと、今回はハットトリックで一発回答。また、得点外でも強みだと話すフィジカルを生かした推進や「守備のスイッチを入れられる選手」と指揮官も言うように切り替えの早い守備でも貢献できる選手。次戦からは福島雪も復帰予定だというが、為谷監督にとっても嬉しい悩みとなりそうだ。
準々決勝は正智深谷との「深谷ダービー」。福島は「全体でハードワークして絶対に勝ちたい」とした上で「個人としてはやっぱり得点っていうところには関わっていきたいし、自分でも決めていきたい」とした。この日の3ゴールを自信に変えて、ダービーでもゴールを連発する。
石黒登(取材・文)