入間向陽MF市川心晴、ミニ国体も経験した期待の1年生が得意のカットインの形から2発!

ミニ国体も経験した注目1年生が躍動した。入間向陽MF市川心晴は女子選手権大会・3回戦の浦和実業戦で後半、得意な形から2ゴールを奪い、チームのベスト8進出に大きく貢献した。

立ち上がりはグラウンド状況もあり、なかなか思うようなプレーを出来ないこともあったが、その中でもボールを持ってタメを作り、相手を引きつけてスルーパスを狙うなど攻撃を牽引した。

ボランチからトップ下に移った後半はさらに存在感を高めていき、6分、12分には「常にスローインをもらったら中に切り込んで、パスか自分でシュートを打つか決めています」というように、得意のカットインの形から切り込んで右足で2ゴールをゲットするなど、結果でも応えた。

「先生にも言われたんですけど、エースになってほしい、エースみたいな存在だから、しっかりとみんなをまとめて、パスをする時もちゃんと目を見て、パスをするように意識しています」

1年生ながらすでにチームの中核。酒井昌弘監督も「1年生であそこまで出来るのはそうはいない」「スピードもあるし、当たりも強いし、ヘディングもちゃんと出来るし、キックも左右出来る。トータルの力がある」と絶賛。本人も岩渕真奈を参考にしているというドリブルやロングスロー、プレースキックなど、「(武器は)結構いろいろある」と引き出しの多さに自信を見せる。

今夏の国体関東ブロック予選(通称ミニ国体)では、ほとんどの選手がクラブ出身者で構成される中で埼玉県少年女子の一員としてメンバー入り。群馬との決定戦は終盤にピッチにも立った。

「もう試合を見るだけでも楽しくて。自分がちょっと出られたというのも良かったし、特にいろいろな作戦があったりして、高校の部活でやるサッカーとそっちでやるサッカーは全然違った」

得意の競り合いでは通用した部分もあったが、ボールスピードやその中でも正確に繋ぐ技術、決定力などに衝撃を受けたという。そして「もっとうまくなりたい」。実際にドリブルは「国体の方でも通用するようなドリブルが最近出来てきているかなと思う」と経験を成長に繋げている。

中学年代はフェミニーノ川越の1期生としてプレー。3年時には主将も務めた。トップレベルのサッカーは高校からだというが、その中でさまざまな経験や新しく学ぶものから刺激を受けながらスポンジのごとく急成長中。成長意欲も高く、今後の成長スピードも楽しみなプレーヤーだ。

準々決勝の相手は学校総体覇者の本庄第一に。同大会では市川もスタメンで出た中でベスト8で敗れたが、「その時よりは今はみんなと呼吸が合うようになった。最近結構良い感じです」と今度は戦える手応えも。急成長を遂げる期待の1年生が女王撃破の原動力となる。

石黒登(取材・文)