「繋ぐ」サッカーは継続、「個人戦術」のプラスαを加えて県での躍進を目指す/川口青陵
川口青陵は一昨年、2019、2020年と選手権2次トーナメント進出に導くなど、同校を県で戦えるチームに育て上げた山田純輝監督(現・川口市立コーチ)が転任と、ひとつ転換点を迎えた。
そういった中で1年間、同じ考えを共有した松浦國拡コーチが2021年4月から監督に。「純さんと同じサッカーをやっているので、そこはもう全く変わっていないんです。一緒にやってきたものを受け継いでいる」とボールを大切にし、ポゼッションしていくサッカーは継続路線だ。
栗橋北彩戦でも、緊張感のある中でプレスを受けた際にもまずは1本繋ぎ、選手を集めて対角に刺すなど、しっかりと一個一個、丁寧にビルドアップしていこうという意思が多く見られた。
また、2年前からは選手時代に浦和南で選手権を制覇した経験豊富な森田洋正コーチがチームをサポート。「個人戦術のところがすごく高くなりました。この50cmって全然関係ないかなと思うんですけど、県に出るためだったらこれでいいけど、県で勝つんだったらもう50cmとか、そういう個人戦術の話をしていただいているので、ヘディングや個人といったところの強度はすごい上がりました。大学生とやっても負けないくらい、強度は上がっている」(監督)という。
2ゴールの左SB山城碧泉(3年)キャプテンは「強度だけだったら間違いなく県でも通用する」と指揮官が推す選手で、正確なキックもある。高い技術力で中盤をリードするボランチの坂本大志郎(3年)、得点感覚はもちろん、守備の強度も高いFW石橋拓海(3年)など、各ポジションにも好選手が揃っており、指揮官も「どこまで行けるか」と楽しみにする。前監督の時代から引き継がれる「繋ぐ」スタイルに「個人戦術」というプラスαを加えて選手権での躍進へ。そのためにもまずは次戦、ブロック代表決定戦で浦和実業を下し、2次トーナメント出場を決める。
石黒登(取材・文)