クラブ与野FW植田貴士、動き出しに加え小柄ながらもボールの収まるストライカー 参考にしているのは高体連No.1FW
クラブ与野FW植田貴士(3年)は複数のJ下部クラブから練習要請をもらう有望株。関東クラブユース選手権R16のFC東京U-15むさし戦では得点こそなかったが、片鱗は見せていた。
前半は暑さもあり、あまり走れていなかったというが、後半は意識を切り替え果敢にチャレンジ。すると15分に決定機が訪れる。MF関口昇佑(3年)の展開からMF中西栄斗(3年)がダイレクトクロス。これに対し植田はCBの背後から瞬時に前に出て、完璧な形でボールを収める。
反転からの右足シュートは相手DFに防がれ、「DFの背後から前に出てきて自分でボールを持てたというところまでは良かったんですけど、相手のことを最後までしっかり見ることが出来なくて、ちょっと焦ってしまって、足元でボールを受けてそのままボレーで打ってしまった」と反省していたが、ここはバランスを崩しながらも最後足を出してきたCBを褒めるべきだろう。
サイズはないが、ボールが収まるFW。植田は「相手の方が何十センチも高い中で、自分の中で相手の弱点を毎回見つけて、引水後には自分のペースに持って行けるように相手のことを見ています」と話す。正面から当たれば当然勝ち目は薄い。だからこそ相手の特徴を冷静に分析し、背後に隠れるプレーや瞬時のギアアップなどで、関東リーグの強豪DFたちと渡り合っている。
また「CBがボールを持っている時に、相手のCB2枚の後ろのところに隠れて、対角線の裏のパスで一発で行ってシュートだったり、自分の足元にもらって、ちょっとターンして打つみたいな、そういう動きが得意です」。中森翔太監督も「動き出しのところとボールも収められる。クロスなんかも彼のところが狙えれば得点のチャンスが増えていくんじゃないかと、いまちょうどトレーニングに取り組んでいるところ。本当に相手にとっては嫌な選手だと思う」と期待する。
植田が参考にしているというのが、今年の高体連No.1ストライカーの呼び声高いあの選手だ。
「神村学園の福田師王選手は、ちょっと自分とタイプが似ている部分もあるので参考にしていて、試合前に動画を見て、こういう動きが出来たらなという自分の中でイメージを作っています」
どんなボールもしっかりと収め、常に相手DFと駆け引きしながら得点を量産するU-19日本代表候補FWのように。代表決定トーナメントではゴールに繋がる仕事で、初の全国出場に導く。
石黒登(取材・文)