「個で足りないところは頭で補う」。浦和西は３位決定戦で敗れたものの、４位で大会を終えた。

昌平戦は「密集地で粘り強くディフェンスするゲームプラン」（樫村和也監督）で試合へ。ファーストディフェンスをはっきりとさせ、セカンドボールで密集を作りボールを奪取。脅威となる縦パスには蓋をしながら粘り強く凌ぐ。そして最後のところでは守護神の細矢幸音（３年）が反応の良さを見せ好守を連発。後半に耐え切れずに３失点し敗れたが、公立勢最高の４位に入った。

MF伊藤瑞希、FW篠崎陽子、FW荻野純菜の県トレトリオを擁し、前線にタレントが揃っていた昨年と比べれば小粒だが、「本当にこの代というのは頭を使って個で足りないところを自分たちで補おうという姿勢がすごい」という代は、今大会最大の目標にして取り組んできたという準々決勝の王者・南稜戦でその力を発揮。粘り強く戦い、延長戦にもつれ込んだ死闘を制した。

例年３年生は勉強で引退する選手もおり、現時点で何人残るかはわからないというが、「頭を使ってサッカーをしていく子たち。まだまだ伸びしろはあると思う」と樫村監督は成長に期待する。この敗戦からもしっかりと学び取りながら、選手権予選で再びベスト４入りにチャレンジする。

石黒登（取材・文）