「人工芝元年」の浦和学院 特徴を持つ選手たちは新しいピッチとともに成長し、躍進狙う

「このグラウンドに似合う選手に」。浦和学院は新しいグラウンドとともに成長し躍進を狙う。

同校は昨年12月に念願の人工芝グラウンドが完成。夜間照明6機や夏場の練習を快適にするミストなどが設置され、芝に関しても「日本協会公認の芝と同じレベル」(村松浩監督)だという。

そういった中で村松監督も「これから新たに入学してくる子たちもそうだし、来年、再来年と高校に上がってくる子たちは、こういう環境だったら浦学でサッカーをやってもいいかなとか、選手たちが集まってくれるとありがたい、嬉しいなと思いながら、その分やっぱりこれからはもっともっと全体のレベルを上げていかないといけないし、問われるところ」と、気を引き締める。

また、今後はホームでの公式戦開催が可能に。すでに1月に行われた新人戦支部予選や3月28日から30日にかけて開催された浦和カップの会場としても使用されるなど、実績を積み重ねる。

新主将を務めるMF野呂渉(3年)は「とても素晴らしい環境でやらせてもらっている」と語り、「1年しかないので悔いがないように結果を残していきたい」と意気込み。DF遠藤大河(3年)も「このピッチを作ってくれたことへの感謝の気持ちを込めて、全国出場など高い目標を掲げて、それを達成出来れば」と感謝の想いを持って高い目標にチャレンジしていくことを誓う。

今年の代は「特徴的な、特徴が見える子がちょこちょこいる」(監督)。浦和カップでも大宮アルディージャや明秀日立といったタフな相手との戦いの中で実際にその特徴を発揮し、勝負出来た部分もあった。新チームの10番を背負うFW上田海輝人(3年)がしっかりとボールを収め、浦和レッズジュニアユース出身のFW石川真稀(3年)が切れ味鋭い突破でサイドを抉って好機に。遠藤も足下のミスはあったが、身体の強さを生かした1対1や空中戦で存在感を見せた。

選手権では昨年も16強で敗退するなど、ここ3年はなかなか上に行けていないだけに「最低でももう一個上は目指したい」と指揮官。またリーグ戦についても「今年も簡単ではないと思うが、やっぱりもうちょっと上位に食い込めるようにとか、リーグ戦自体は将来的には上があるならその上のカテゴリを目指してやっていきたい」と継続的なプリンスリーグ参入も目指していく。

そのためにも「今年は1勝1勝を大事に、勝てるようにチーム全員で戦っていきたい」と野呂主将。「このグラウンドに似合う選手になれるように」。浦和学院はこのピッチで技を磨きながら、「Always True to Ourselves」のスローガンのように、全員が主体性を持って取り組み成長する。

石黒登(取材・文)