Futbol Club Cano
フットボール クルブ カーニョ
活動拠点 | 越谷東高第2グラウンド、増森グラウンド、越谷市立西中学校(体育館)、越谷市立大袋東小学校(体育館)、越谷市立大沢北小学校(体育館) |
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練習日 | 平日:月曜日、木曜日(低学年)、火曜日、水曜日、金曜日(4年生以上)、火曜日、水曜日、金曜日(ジュニアユース)、土日祝日:練習、練習試合 |
HPアドレス | http://footballnavi.jp/grassroots/ |
カーニョはスペイン語で「股抜き」の意。越谷市に拠点を置くFCカーニョはその名の通り、ボールマスタリーを重視したサッカーを信条とするチームです。
もともとはサッカー未経験ながら、子供が少年団に入団したのをきっかけに、指導の道に入っていったという菊池一典総監督。当時から海外サッカーに強い興味を持ち、セリエAやアルゼンチンサッカー、W杯などのレベルの高い試合を見る中で「海外と日本とのサッカーの違い」を感じ、2005年にFCカーニョをスタートさせました。
同クラブが設立から主題としているのがボール扱いの部分。現在でこそ当たり前になったキーパーからつないでいくスタイルですが、その当時はまだ導入しているチームも少なく、パントキックを蹴らないカーニョのサッカーは奇異の目で見られることもあったそう。それでも「海外のサッカーで蹴っているのはほとんど見ない。ある意味素人だったので、見て面白いと思うものをそのまま取り入れて」いまのスタイルを確立しました。
今回、取材の際に驚かされたのが、1対多数でのボールキープの練習。「ボールを奪ったらすぐに逃がさないといけないが、パスで逃がすのではなく自分で出るようにさせている」とのこと。これは強度の違いこそあれ、すべての年代で行なっているのだとか。
「日本人は余裕を持ってボールを持ったりするのがどうしても弱い。この年代は少々引っかかっても、考えさせながらボールを持って、どういう持ち方をすると取られるのか、取られないのかを試合を通じて経験させないとダメだと思っている」(菊池総監督)。
このスタイルは全国の舞台がかかった公式戦でも変わらないといいます。
また、昨年度はホンダカップ フットサルフェスタU-12の部で全国優勝、EXILE CAP全国大会では準優勝を飾るなど、フットサルにも力を入れている同クラブ。戦術的なことや守備、パスなどは、週に1回のフットサルを通じて養っているそうです。
ジュニアユースは1学年多くても10名ほど。それでも卒業生は聖和学園高校、市立船橋高校、流通経済大学付属柏高校、山梨学院高校、東海大学付属静岡翔洋高校といった強豪校に進学を果たしており、昨年日本人として初めてナイキアカデミーに参加したMF波多野海、2013年に市立船橋でインターハイを制覇、現在は関東大学1部・東京国際大学でプレーするMF成田悠冴など出身者も活躍しています。その理由について「うちは基本的にはチャンピオンシップを競っていないので、次々にいろいろな状況を与えてプレーさせる。それが次のステップでうまくアジャストできる要因になっているのでは」と菊池総監督。
目先の勝利ではなく、選手たちのこれから、そして日本サッカーの未来を見据えるFCカーニョ。今後の目標を尋ねると「ビッグイヤーを掲げる選手を出したい。選手にはW杯のトロフィーを日本に持ってきてもらいたい」と熱く語ってくれました。
石黒登(取材・文)