準優勝もプリンス所属チーム相手に善戦した浦和西。関東予選に向け最高の準備【浦和カップ】
敗れはしたが、浦和西にとってこれ以上ない経験になったのは間違いない。決勝の相手はプリンス関東所属の三菱養和SCユース。さらに週末のリーグ開幕戦が延期となったこともあり、トップが出場した。そんな中で市原雄心監督は「関東大会に向けて最高の練習になった」とした。
試合は序盤に少しバタついた中で前半15分に警戒していたセットプレーから失点したが、その後は相手の攻撃の起点となる194cmの長身FW赤井ウェズリー景太を挟み込みながらしっかりとケア。3バックの真ん中に入ったDF倉元英杜が「前から嵌めることはできなかったけど、相手にシュートを打たせずにうまく守れた」というように試合を通じてシュート2本に抑えた。
後半は準決勝の旭川実業戦で決勝弾のMF松田良太、今大会10番を背負ったMF柳澤優斗を入れて反撃へ。しかし準決勝、決勝とほぼ同じメンバーで戦ったこともあり、ギアが上がりきらず。11分に柳澤を起点にMF田中康士朗のクロスに松田がボレーに行くなど良い攻撃もあったが、ゴールに迫るシーンなどはあまり作れなかった。中盤からのサポートが受けられない状況もあった中で柳澤は「(上のレベルでは)味方が少ないと抜くようなドリブルができないということがわかった。やっぱりもう少しキープできたり、球離れを早くしたりしたいです」と反省した。
全体を見れば自分たちが決めなければいけないセットプレーを相手に決められ、守備の部分でもプリンスのクオリティを見せられた形だが、この時期にこの強度の試合をできたことは大きな財産だ。市原監督は「良い準備ができたのかなと。本当にたくましくなってきたというか、どんどんやりながら成長してきた選手もいるし、プラスに捉えられる3日間だった」と振り返る。
今大会ではCB初挑戦ながら及第点の働きを見せた倉元、中盤の“守備職人”として指揮官が最も成長した選手に挙げたMF杉本光などが試合を追うごとに成長を遂げていった。関東予選ではここに今季主将を務めるDF山本海翔、スピードとパワフルさを併せ持つFW加藤翼が復帰予定。エース柳澤もこの経験を機にさらに一皮むけることができれば面白いチームとなりそうだ。
石黒登(取材・文)
試合結果
浦和西 0-1 三菱養和SCユース
0(前半)1
0(後半)0
大会結果
優勝:三菱養和SC
準優勝:浦和西
3位:旭川実業
4位:浦和レッズY
最優秀選手
赤井ウェズリー景太(三菱養和)
優秀選手
嵯峨康太(三菱養和)
仲野隼斗(三菱養和)
西久保駿介(三菱養和)
森山純平(三菱養和)
珍田知輝(浦和西)
松田良太(浦和西)
杉本光(浦和西)
古谷諒将(旭川実業)
樋田昌汰朗(旭川実業)
新城愛斗(浦和レッズY)
阿部水帆(浦和レッズY)