全国高校サッカー選手権埼玉県大会1回戦 花咲徳栄 vs 川口

第98回全国高校サッカー選手権埼玉県大会1回戦(14日、浦和南高校会場ほか)。花咲徳栄高校と川口高校の一戦は終盤に引き離した花咲徳栄が3ー0で勝利し、2回戦進出を決めた。

試合は早々に動いた。前半2分、花咲徳栄は右サイドハーフの荒巻椋矢にボールが入ると、ゴールまではまだ距離がある中で「ディフェンスが寄せてこなかったので、これはもうシュートしかないな」と右足を一閃。早川和夫監督も「びっくりしました」というゴールで先制した。

しかしここからゲームは膠着。花咲徳栄は中盤でのパスミスなどもあり流れを完全に引き寄せることができない。逆に川口は前半終盤に圧力。アディショナルタイムには左コーナーキックにファーサイドでDF井出康太がヘディングで合わせたが、シュートは惜しくも枠を外れた。

後半も1ー0のまま進行する中で試合が動いたのは最終盤。勝負を決めるゴールを奪ったのは花咲徳栄だった。36分、カウンターから右サイドでボールを持ったMF七海永遠がドリブルでひとりふたりと交わしながらカットインすると、相手を引きつけながら絶妙なタイミングでスルーパス。これに反応したFW室井秀仁がゴール左を撃ち抜いて欲しかった追加点を決めた。

花咲徳栄はアディショナルタイムにも七海が起点となり、MF永野弘将のクロスをFW三橋由詩がヘディングで決めて3ー0。終盤までもつれたゲームを制し、次のラウンドに駒を進めた。

追加点を引き寄せたディフェンスの献身 保竹、和田のCBコンビを中心にしっかり零封

終盤の追加点を引き寄せたのはディフェンスの功績も大きい。花咲徳栄はキャプテンの保竹利紀、和田遼の2センターバックが苦しい時間帯でも声に、プレーにチームを下から支えた。

「自分たちはセットプレーが長所。そこで相手にやらせないこと、失点しないことを一番にやってきました」と保竹。その言葉通り、コーナーキック3本、フリーキックは関節含め20本を与えたが、シュートは2本に抑えた。指揮官も「苦しい時も声を出して、身体を張って戦ってくれる。技術的にはあまり高くないんですけど、信頼できますね」とCB2枚への信頼を語る。

今年は県2部を戦う中でなかなか結果を残すことができず。1試合を残し、すでにリーグ最下位が確定している。それでもだからこそ、この選手権でという想いは強い。保竹は「後輩たちにS2残留を残してあげたかったですけどできなかったので、最後は結果を残して、後輩たちに勢いをつけてあげられるようにやっていきます」と最後の大舞台にかける意気込みを語った。

石黒登(取材・文)

試合結果

花咲徳栄 3-0 川口

1(前半)0
2(後半)0