[女子選手権]聖和学園に惜敗も、全国に示した確かな歩み──昌平が2度目の挑戦で掴んだ、結果以上の価値と“現在地”の証明

結果以上の価値を刻んだ。第34回全日本高校女子サッカー選手権大会は1月3日に3回戦が行われ、県代表の昌平は選手権3度の優勝を誇る聖和学園(宮城①)と対戦。後半にDF福島沙羅メヘル(3年)が1点を返して食い下がったが、1-2で敗れ、初の全国16強で幕を閉じた。

昨年は初出場で未勝利に終わった昌平。しかし今大会は、1回戦で京都精華(京都)を3-1で下して全国初勝利を挙げると、2回戦では高川学園(山口)に先制を許しながらもMF小室瑠花(3年)のゴールで追いつき、PK戦を制して16強入り。その勢いのまま迎えた3回戦だった。

昌平は20分、小室がゴール前でチャンスを迎えたが、前半はWEリーグ・仙台内定FW松井美優(3年)へのサポートも少なく、攻撃が単発に。27分にはクロスから隙を突かれて失点した。

それでも「行くとなった時は強い」と森田光哉監督が話していたチームは後半に力を発揮する。再開後にMF山田仁菜(3年)主将がゴールに迫り、3分にはドリブルで抜け出した途中出場のMF岡本明莉(1年)のシュートがクロスバーを叩くなど、いきなり連続してチャンスを作る。

12分に2失点目を喫した後の14分には、高川学園戦と同様、DF湯浅仁那(3年)を投入し、攻撃面の良さがある福島を前線へ送り出す。するとこの形が実を結ぶ。18分、松井が左サイドで粘ってクロスを上げきると、中央に走り込んだ福島がヘディングで突き刺し1点差に。終盤はMF勝山あゆみ(3年)も前に出して同点ゴールを狙ったが、あと一歩及ばず1-2で敗れた。

敗れはしたが、2度目の選手権で堂々の16強入り。森田監督は「この舞台で2勝して、ベスト16で聖和学園さん相手に果敢にチャレンジできたのは次につながるかなと思います」と話す。

「やっている方向性とか、スタイルに関しては間違ってはいないと思うので、あとはそれを極める部分と経験値の差っていうところが、次のステージに行くために必要なのかなと思います」。

ドリブルやパスを交えながら怖さを持って迫るスタイルは、全国トップクラスの聖和学園戦でも発揮できた部分も。そこにさらに磨きをかけつつ、個々の能力アップ。また、上の景色を目指す中で、長期滞在や試合に臨む上でのメンタルコントロールなどは今後積み上げていく部分だ。

前述のように、昨年は1回戦敗退に終わった中で、昨年のメンバーが多く残る今年は全国で勝つことをテーマに取り組み。初の関東1部リーグではなかなか勝てずに苦しむことも多かったが、「粘り強く自分たちのスタイルを貫き通そうとする姿の中で、最後、自分たちのやりたいサッカーが全国で発揮できたというのは、彼女たちの成長をすごく感じましたね」と森田監督はいう。

2回戦、3回戦では、ともにビハインドを背負った中で後半に勝利に対する執着も。「関東リーグの中とかでは、私が追い求めていた理想像、もうやるしかないんだよって吹っ切れる感じの欲が出てこなかったので、選手権に入って、この2試合、3試合での成長はすごくあったかなと思います」。また、下級生たちも多くがこの舞台を経験できたのも大きい。「着実に一歩ずつは進んでいる。次の新チームはベスト16っていう壁をまず一つ乗り越えてもらいたいなと思います」と期待した。結果以上の価値を刻んだ16強。その経験は、確実に次の景色へとつながっていく。

石黒登(取材・文)

試合結果

昌平 1-2 聖和学園
0(前半)1
1(後半 )1