[選手権]固陣を崩し切れず、あと一歩届かなかった全国の壁――昌平、Wエースと挑んだ冬は16強で幕
1月2日、第104回全国高校サッカー選手権大会3回戦が浦和駒場スタジアムほかで行われ、県代表の昌平は帝京長岡(新潟)に0-1で敗れ、今大会はベスト16で終えることとなった。

最後まで固い守備を崩しきることができなかった。前半15分、右サイドからのクロスを帝京長岡MF樋口汐音(3年)にゴール前で押し込まれ先制を許す。これが結果的に決勝点となった。
帝京長岡が敷く5-4-1のブロック。その構図自体は準備してきたものだった。しかし試合後、芦田徹監督は「外に逃げずに中を突く必要があると伝えたが、そのバランスが悪かった」と率直に振り返る。中に入りすぎたことで引っかけられ、ショートカウンターを受ける場面も増えた。
「一度振って、背中に走って、もう一度中に入る。そうした揺さぶりをもっと使わなければいけなかった。特に前半40分はもったいなかった」。ゲーム序盤の停滞が、最後まで尾を引いた。
前半、昌平は湘南内定の10番MF山口豪太(3年)がなかなか前を向いてボールを持てず、川崎F内定のMF長璃喜(3年)も厳しいマンマークを受け、リズムを掴めない時間が続いた。
30分、山口が中盤からドリブルで持ち出し、U-16日本代表FW立野京弥(1年)が放ったシュートが昌平のファーストシュート。33分には山口を起点に、左SBの古川雄規(1年)がアーリークロスを供給し、立野が滑り込んだが、あと一歩合わない。HT前の41分にはMF飯島碧大(2年)の右クロスに、山口がダイビングヘッドで合わせたが、惜しくも枠を捉えきれなかった。
後半、昌平は相手のブロックを破壊すべく、走りの部分や相手の背後を取る動きを徹底。また、山口、長、飯島を一列高い位置で相手3枚の間に配置し、ゴールに近づく回数は確実に増えた。
2分、ボールを繋ぎながらギャップを作り、MF工藤敦士(2年)の浮き球のスルーパスのこぼれを山口がダイレクトシュート。さらに11分にはMF人見大地(2年)、23分にはFW齋藤結斗(3年)と攻撃のカードを切って打開にかかる。31分には齋藤のボールカットから長が長い距離を運び出して狙い、39分にはDF伊藤隆寛(3年)主将を起点に、途中出場のFW島田大雅(2年)、齋藤と細かく繋いで人見がエリア内に抜け出しを図るが、シュートまでは至らない。
41分には長がゴール前で1つずらし、右足で狙ったミドルシュートが枠を捉えたが、相手キーパーの好守に遭い、決めきれず。0-1で敗れ、2大会ぶりのベスト8進出とはならなかった。
下級生時から注目されてきた山口、長のWエースを擁した挑戦は16強で敗戦。芦田監督は「スペシャルなものがある選手。かなりのプレッシャーがあった中でよく取り組んでくれた。ここで負けるのはもったいないと思いますけど、帝京長岡さんが上回った試合でした」と振り返る。
山口は「自分が点を取れなかったので、自分のせいで負けた」と涙。「時間は戻せないので、次に行くしかない。もう次は悔しい気持ちをしないように頑張っていきたい」。長は「あそこで打開できるような力をつけていきたい」とともにプロの舞台で活躍するためさらなる成長を誓う。
また、1、2年生も多く出場。指揮官は「足りないものがあったから、こういう結果になっていることは間違いないので、そこにどれだけチームとしてもそうですし、選手たちがいろんなものに気づいて次に向かっていけるかだと思います」とこの試合からの“気づき”を求めた。崩し切れなかった事実と、通用した部分。その両方を胸に刻み、昌平は次のステージへと歩みを進める。
石黒登(取材・文)
試合結果
帝京長岡 1-0 昌平
1(前半)0
0(後半 )0


