[プレミアEAST]浦和ユースが4発快勝で降格圏脱出。「全員が前への意識を持って」昌平を圧倒、今季初のクリーンシートで埼玉ダービーを制す!
高円宮杯 JFA U-18サッカープレミアリーグ 2025 EASTは20日に第14節を行い、10位・昌平と11位・浦和レッズユースの“埼玉ダービー”はMF深田京吾(3年)主将の2ゴールなどで浦和ユースが勝利。勝ち点「14」で並び、得失点差で上回った浦和ユースが10位に浮上した。
浦和ユースは前節、柏レイソルU-18に0-4で敗戦。阿部勇樹監督は「前節は自分たちのベースとなる部分で、相手に負けてしまったところで流れがこなかった。ルーズボールの戦いのところで自分たちが流れを持ってこれるだろうなというのは振り返ってみて確信はあった」というセカンドボールの回収や攻守においての前向きな姿勢で、前期1-3で敗れた相手を圧倒した。
浦和ユースは前半3分、DF田中一信、(3年)の右CKに「一信くんとはお互いキッカーで、蹴る位置を確かめあっていた。今日はどんどんゴールに向かっていこうっていうのはありました」と話す、U-17日本代表MF和田武士(1年)がヘディングで豪快に決めて幸先良く先制した。
シンプルに相手の背後を狙いながら、中央のところのセカンドボールを狙うことを徹底。また、「守備の部分で全員が前への意識を持って、下がらずにプレーできたと思います」(深田)。中盤ではボールホルダーに対してしっかりと寄せながら、和田武、和田直哉(3年)のダブルボランチ、トップ下の小川直澄(2年)が挟み込んで奪い、主導権を握った。サイドでもコンパクトを保ちながら、昌平の武器である湘南内定10番MF山口豪太、長璃喜(ともに3年)への配球を封じ、指揮官も「前半に関してはほぼほぼやりたいことはできたかなと思います」と振り返る。
21分には、田中一のグラウンダーのクロスを深田がワンタッチで決めて突き放す。さらに飲水明けの23分には「飲水直後だったので、相手も気が緩んでいると思った。その前にも何回か相手の横パスが緩い部分とかがあったので、狙えるなと思っていた」という深田が前線で相手のビルドアップをカット。そのままドリブルで持ち上がり、キーパーとの1対1を冷静に沈めた。
前半は中盤で後手に回る展開が多かった昌平は後半、山口、長をインサイド気味に配置し、打開を狙う。それでも浦和ユースは22分、和田直の左クロスから小川が右足でゴールネットを打ち抜き、勝負を決める4点目。昌平は終盤、34分、44分と山口が狙っていったが、決めきることはできなかった。浦和ユースはU-17日本代表DF田中義峯(2年)やGKマルコムアレックス恵太(2年)らが最後まで集中を切らさず、今季初のクリーンシートで埼玉ダービーを制した。この結果、浦和ユースが降格圏外の10位に浮上。一方で昌平は同勝ち点の11位に沈んでいる。
残り試合も8試合となり、残留に向けても負けられない一戦だっただけに、深田主将は「ここは勝たないといけない試合だった」と強い想いを明かす。阿部監督は「今週のトレーニングで自分たちがやる相手側として、他の選手が一生懸命やってくれて、本当にそれが今日のゲームに間違いなく繋がっていたと思いますし、本当にチームとしてこの1つの勝ちっていうのはみんなで勝ち取ったものじゃないかと思います」とサブ組も含め、全員で勝ち取った勝利だと強調した。
浦和ユースは今後にも繋がってきそうな1勝。阿部監督は「それが言えるのは次の横浜FCとの試合でどんな試合、どんな結果を掴めるかどうかだと思いますし、そう言えるように選手と一緒に頑張っていければと」とし、深田主将も「本当にチーム全体としてもこのまま勢いに乗って、練習から気を抜かず、この次が、連勝っていうのが大事なので、また1週間やっていきたい」と意気込み。次節・アウェイの横浜FCユース戦で今季2度目の連勝を飾り、上昇気流に乗る。
石黒登(取材・文)
試合結果
浦和レッズユース 4-0 昌平
3(前半)0
1(後半)0