[学総]県大会初出場対決はさいたま美園南中に軍配! 昨年からの経験者多数の期待代が本気で頂点を目指す
25日、令和7年度学校総合体育大会3回戦がRHF駒場グラウンド他で行われ、ともに初の県大会に臨んだ両雄の対決はさいたま美園南中が2-1で和光大和中を下し、準々決勝に進出した。
美園南中は強豪揃いのさいたま市を創部6年目で突破、大和中は朝霞地区準決勝で県の常連・新座第二中を下してともに初の県切符を獲得。注目の“初出場”対決は美園南中に軍配が上がった。
美園南中は前の力を生かし背後を狙うと前半2分、ディフェンスラインからのロングボールをFW佐藤賢斗(3年)が落とすと、2列目からMF浪江奏汰(3年)が抜け出す。「23番(佐藤)がヘディングがめっちゃ強いので、落としてくれるのを信じて走った。あとはもう打つだけでした」。シュートは一度相手選手に当たったが、そのリバウンドも自ら決めてゲームを動かした。
その後も美園南は10番FW大熊啓介(3年)や右SHの鈴木大翔(3年)がゴールに迫る動き。32分には鈴木がカットインから狙ったシュートは大和中GK岡島大空翔(3年)が足で防いだ。
大和中は前半なかなかゴールに近づくことができていなかったが、37分、スモールエリアでのドリブルを得意とする10番のMF福山敦仁(3年)がエリア内で仕掛けてシュートを放つ。しかし、ここは美園南中DF森田隆誠(3年)主将が最後まで食らいついて得点を許さなかった。
美園南中は後半1分にも大熊が迫り、7分には鈴木が緩急をつけたドリブルで2枚、3枚と剥がしてラストパス。しかし、大熊のシュートは惜しくも枠を捉えることができない。それでも23分、浪江の絶妙フィードに抜け出した大熊は「次はもう絶対に取らないといけないっていう気持ちはありました」。内に切り込むと、最後はキーパーを外して無人のゴールに流し込んでみせた。
大和中は31分、FW飯田波音弥(3年)が左サイドの距離のある位置から逆サイドネットに突き刺すゴラッソで1点を返したが、反撃もここまで。美園南中が2-1で制し、8強に進出した。
初の県の舞台ではあるが、美園南中はSB以外はすべて昨年も出場しており、島﨑優希監督も「今年はもう本当に絶対に狙えるなっていうのは思っていた」という確かな実力を持った期待の代。指揮官も「さいたま市だったら、No.1のドリブラーだと思います」と話すエース大熊や佐藤、鈴木、左サイドのMF関颯大(3年)の前線の「4枚看板」は強力で今年の持ち味となっている。
今年は明確に上を目指しながら普段から全員が意識を高く取り組み。だからこそ、大熊は「ここまで来たことは、いままでやってきた中で“必然”だと思っています」と話す。また、浪江は「練習以外の部分で“徳を積む”っていうのを先生に言われていて、そういった部分もみんなで徹底してやっていることもあると思います」。日常からの挨拶や人間的な成長も繋がっているという。
準々決勝は強豪・尾間木中が相手だが、ここを突破できれば一気に駆け上がる可能性もある。尾間木中とはこれまで2度対戦し、1年生大会は勝利、今年の冬季大会はメンバーを入れ替えて臨み、敗戦と1勝1敗。大熊は「もうここまで来たら関東や全国に行くっていう強い気持ちをもってやっていきたい」と意気込み。初出場のダークホースが“本気”で今夏タイトルを取りに行く。
石黒登(取材・文)
試合結果
和光大和中 1-2 さいたま美園南中
0(前半)1
1(後半)1