[関東大会]成徳深谷が延長戦で法政二を下し2回戦へ!99分に菅井が劇的決勝弾、交代枠をフルで使い総力戦を制す
埼玉開催の令和7年度関東高校サッカー大会は24日に1回戦が行われ、各都県1位によるAグループの戦いに臨んだ成徳深谷は法政二(神奈川県)と対戦し、延長戦の末に3-2で勝利した。
法政二とはシーズン前の3月にトレーニングマッチを行い、1-2で敗戦。為谷洋介監督も「今年(の法政二)は強いなと思っていた。こういう競ったゲームになると思っていた」と話す。
県予選でも準決勝、決勝と立ち上がりの良さを見せていた成徳深谷は前半6分、FW川上稜介(3年)が得意の抜け出しから決定機。川上は9分にもカットインシュートを狙っていった。
15分過ぎから法政二が戦い方を変え、左SBがビルドアップ時に内側に絞る形を取ってきた中で捕まえきれず、17分にはクロスバー直撃のシュートを放たれ、22分にもゴールに迫られるなど、少しバタついた感もあったが、ここをしっかりと対応すると、30分、10番MF白川成夢(3年)の縦パスに抜け出した川上がGKとの1対1を冷静に少し浮かせて流し込んで先制した。
後半は法政二がシンプルに戦い始めた中で、押し込まれる時間が増えた。13分にはエリア内で相手を倒してしまい、ペナルティキックを献上。これを決められて同点に追いつかれてしまう。
難しい時間が続いたが、成徳深谷はGK本田一朗(3年)が相手の抜け出しに対し、勇気を持って前に出て対抗。持ち味の粘り強さを発揮しながら、35分には左CKのこぼれ球を途中出場のFW鈴木晴琉(3年)が狙い、43分にはDF山谷康太朗(3年)のロングスローのこぼれ球を拾った鈴木晴がシュート性のクロス。これに怪我のDF佐々木亮(3年)に代わり、スタメン出場したDF原凌也(3年)がダイレクトで合わせたが、惜しくも枠を捉えきることができなかった。
試合はそのまま延長戦に突入。成徳深谷は延長前半2分、白川のピンポイントFKからファーサイドで鈴木晴が豪快なダイビングヘッドで決めて勝ち越しに成功。しかし、同10+1分に相手に左CKからトルメンタでマークを外され、ヘディングで決められて再び同点とされてしまう。
延長後半も半分を過ぎ、PK戦も視野に入り始めた中で成徳深谷は同9分、相手GKのキックをMF朝烏真大(3年)主将がカットすると、そこからの攻撃で途中出場のMF岡勇吾(3年)が前戦のスペースへ縦パス。右SBの菅井陽斗(3年)は相手DFに前に入られている状況だったが、諦めずに追うとDFとGKが交錯し、こぼれ球を菅井が左足で無人のゴールに流し込んだ。
これが決勝ゴールとなり、成徳深谷が点取り合戦を劇的な形で締めくくり、3-2で勝利した。
昨年は千葉開催だった中で地元の習志野、検見川が1回戦で敗退。「1回戦ってやっぱり鬼門なんだなって。地元開催っていうのもあるから、選手もプレッシャーはあったと思うんです」と為谷監督は話す。その中でこの日は脳震盪による交代も含めて6枚の交代枠をフルで使用。「アクシデントもあるから、いつどこで何が起こるかわからないので、控え選手にはいつでも準備しておけと」。交代出場した鈴木晴や岡が得点に絡むなど、今後に向けても財産となる勝利となった。
石黒登(取材・文)
試合結果
成徳深谷 3(延長)2 法政二
1(前半)0
0(後半)1
1(延前)1
1(延後)0