[関東大会]聖望学園、浦和学院を延長戦で下し4強!準決勝はタレント軍団・武南と激突。初の本大会を決めて「今年は…」の雑音打ち消す

令和7年度関東高校サッカー大会埼玉県予選は26日に準々決勝が行われ、S1勢対決となった聖望学園と浦和学院の一戦は、延長戦の末に聖望学園が2-1で勝利し、ベスト4に進出した。

今季、両雄はすでにS1リーグで対戦。浦和学院が3-2で勝利していた中で「今日はやり返そうという気持ちで、1週間準備してきました」(山本昌輝監督)という聖望学園がリベンジした。

浦和学院は10番のMF平昭一哉(3年)主将が体調不良により不在。キーマンを欠くこととなったが、バックラインから丁寧にビルドアップしながら機を見て縦パスを刺してペースを作る。

前半24分にはCBのフィードから左SBの町田瑠斗(3年)が駆け上がり、横パス。FW西田琉晟(2年)のミドルシュートは惜しくも右ポストを叩いたが、両軍最初の決定機を作った。すると29分、中盤のこぼれ球をMF門倉佳希(3年)が右足のスーパーミドルで決めて先制した。

聖望学園は前半、なかなか守備がハマらず苦戦を強いられた。その中で後半はプレスのかけ方を変更。前半は前線の2枚が横並びでプレスを掛けていたが、後半はFW小比賀渓太(3年)がまずファーストに行き、誘導した上で2列目が出て行く形に変更すると徐々にペースを掴んだ。

4分には右SB森谷柊色(3年)が抜け出てシュート。これはディフェンスにブロックされたが、ここで得た左CKからMF沖田拓(3年)のキックにDF八尋祐有(2年)が頭で合わせた。

八尋は決勝弾だった2回戦の浦和東戦に続き、2試合連続でセットプレーからヘディングでゴール。170cmと上背はないが、持ち前のバネを生かした跳躍力を武器にするCBは「本当にセットプレーは自信があったし、監督とかスタッフもみんな俺にセットプレーを託してくれたので決めるっていう気持ちと、絶対に当てるっていう想いだった。入ってよかった」と笑顔を見せた。

10分には沖田が右サイドを個で突破して放ったシュートがポストを直撃。その後も聖望学園は昨年から主力を務める10番MF田中翼(3年)を起点に攻め込む。41分には沖田が前線で奪い、クロスに田中、さらにMF鈴木亮人(2年)が追撃したが、シュートは惜しくも上に外れた。

そのまま試合は延長戦に突入。聖望学園は延長前半3分、田中がドリブルで抜け出してチャンスを迎えたが、シュートは浦和学院GK大日野渉(3年)がファインセーブで防いだ。それでも聖望学園は10分、クイックのスローインから田中がクロスを上げると小比賀がダイビングヘッドでゲットし、これが決勝弾に。「関東大会は全然決められていなくて。大事なところで決められて良かったです」という小比賀の今大会初ゴールで聖望学園が2年連続の準決勝行きを決めた。

聖望学園は昨年、小山晃也(国士舘大)や太仲貴哉(山梨学院大)などインパクトのある上級生たちが、選手権予選ではインハイ覇者の昌平を撃破、そしてS1リーグ戦では初優勝を果たした。

山本監督は「今年の子たちはそういうタレント性っていうのはいまのところそんなにないのかなと思うんですけど、どこに行っても「去年の聖望はよかったけど、今年は…」っていうのを彼らは聞いているので。先輩たちをリスペクトはしているけど、俺たちだってっていう想いで今年はスタートしたので、これで関東に関しては少なくとも去年の先輩たちと同じところまでは来たので、なんとかあと一個勝って関東を決められれば先輩たちを越えられると思います」と話す。

関東掛けの準決勝の相手は新人戦で延長戦の末に敗れた武南となった。八尋は「あの時は自分も出ていた中で本当に悔しい部分があったので、絶対に勝ちたいっていう気持ちが強い」とし、小比賀は「自分が点を取って勝ちたいです」と意気込み。指揮官も「やっぱり一番力があるんじゃないですか」と話すタレント軍団を下し、初の関東本大会進出を決めて周囲の雑音を打ち消す。

石黒登(取材・文)

試合結果

聖望学園 2-1 浦和学院
0(前半)1
1(後半)0
1(延前)0
0(延後)0