[関東大会]2大会ぶりの本戦を狙う埼玉平成、本庄第一との100分ゲームを制し8強!背中で見せてくれた先輩たちのように今度は自分たちが
令和7年度関東高校サッカー大会埼玉県予選は20日に2回戦が行われ、埼玉平成と本庄第一が対戦。延長戦までもつれた接戦を3-2で制した埼玉平成が浦和南との準々決勝に駒を進めた。
2年ぶりの本大会進出を目指す埼玉平成は、バックラインから組み立て、FW新田礼人(3年)とFW柳田翔(2年)の2トップにボールを入れながら展開。押し込みながらゲームを進めた。
16分に新田が迫り、26分にはクロスから柳田の決定的なシュートがわずかに上に。直後のFW齋藤大耀(3年)の右足シュートは本庄第一GK今井龍之介(2年)が好守されたが、31分には右WBの鈴木葵琉(3年)がスピードに乗ったドリブルでエリア内に侵入しゴールに迫った。
その中で前半はゴールだけが足りなかったが、15分、縦パスに抜け出した新田がキーパーとの1対1を沈めて先制した。一方、本庄第一は先制を許したものの、主将のDF高橋純哉(3年)や今井を中心に粘り強く守り、最少失点で終盤へ。すると後ろの頑張りにアタッカー陣が応える。
23分、途中出場のMF長島琉心(1年)がドリブルで切り込むと、シュートはキーパーの手に当たりながらもゴールインし、同点に。さらに36分、10番MF飯塚瑠斗(2年)のFKからニアに入り込んだMF福本空陽(2年)がヘディングシュートで決めて、ついに逆転に成功した。
1点を追う埼玉平成は40分、新田がゴールに迫るが、本庄第一もDF鈴木奏翔(2年)がスライディングでシュートブロックに入り、セカンドに対してもすぐに立ち上がってクリアした。
その中で埼玉平成は40+2分、スローインから鈴木がエリア内で倒されてペナルティキックを獲得すると、これを自らゴール左側に決めて土壇場で同点に追いつく。埼玉平成は40+6分にはセットプレーからの混戦で柳田がゴールチャンスを迎えたが、ここは今井が怖がらずにボールに対して飛び込んでセーブ。2-2のまま、勝負の行方は10分ハーフの延長戦に突入した。
延長前半は動かず、試合は最後の10分間へ。本庄第一はPK戦も見据え、好守を続けていた今井に代えてGK若水春樹(2年)を投入する。埼玉平成は延長後半2分、MF池田大輝(2年)のクロスからMF佐野忠功(3年)がゴールを狙ったが、若水が指先で掻き出してセーブした。
それでも埼玉平成はここで得た右CKからゴール前の混戦を鈴木が押し込んで再逆転となるゴール。終盤、本庄第一はセットプレーからゴールに迫ろうとしたが、MF伊勢亀譲(3年)主将を中心に声をかけつつ最後まで集中して戦った埼玉平成が3-2で制し、ベスト8に進出した。
前半押し込んだところで刺しきれず、イレギュラーなリスタートで集中力を欠いた場面で失点するなど、課題も出た試合となったが、浦田尚希監督は「最後は選手ですから。選手の底力が出たんじゃないですか」とゲームを再度引き戻し、100分ゲームで勝ちきった選手たちを讃えた。
埼玉平成は現3年が入学当初だった2023年にS1勢の武蔵越生、成徳深谷などを破る快進撃を見せ、初の県決勝に進出し準優勝。関東本大会にも出場した。スタンドで先輩たちの勇姿を見ていた伊勢亀は「その先輩たちのかっこいい姿を見て、自分たちもそういうふうな先輩になりたいなと思います」「自分たちも「関東に出るぞ」っていうふうに目標をつけてやってきたのでしっかり目標を達成したいですね」と2大会ぶりの本大会出場に意気込みを語った。背中で見せてくれた先輩たちのように、あの舞台に戻り、今度は自分たちがかっこいい背中で後輩たちに伝える。
石黒登(取材・文)
試合結果
本庄第一 2(延長)3 埼玉平成
0(前半)0
2(後半)2
0(延前)0
0(延後)1