[関東大会]浦和学院、細田学園との接戦を制し8強! 課題のセットプレーで連動した守備、相手の猛攻を耐え今季初のクリーンシート
令和7年度関東高校サッカー大会埼玉県予選は20日に2回戦が行われ、浦和学院と細田学園が対戦。昨年は初戦で相まみえた両雄の一戦は1-0で浦和学院が勝利し、ベスト8に進出した。
ゲームは立ち上がりに動く。前半4分、浦和学院はエリア内に侵入したFW小川澄羽(2年)が倒されてペナルティキックを獲得。これをMF西田琉晟(2年)が左隅に蹴り込んで先制した。
先行を許した細田学園も184cmの長身ながら足下のうまさもあるDF高久琉我(3年)や昨年、国民スポーツ大会にも出場した注目10番のMF三上蓮恩(3年)、こちらも技巧派のMF佐久間柾斗(3年)を中心に組み立てながら狙いを持って縦のボールを配球し、相手に圧力をかける。
18分にはMF小野寺快斗(2年)のドリブル突破からのクロスでFW長岡煌輝(3年)が決定機。34分には縦のボールに走り込んだ小野寺の左足シュートは枠外だったがチャンスを作った。
一方、浦和学院もディフェンスラインから焦れずにビルドアップし、昨年の選手権予選準優勝メンバーの10番MF平昭一哉(3年)主将が中盤でボールを受けてゲームを落ち着かせるプレー。ボールを動かしながら敵陣に攻め込み、背後を取るシーンもあった。細田学園は39分、MF川嶋秀大(3年)のFKからファーサイドに走り込んだ高久がトラップしたが、決めきれなかった。
後半は細田学院が縦のボールやセットプレーから圧力を強める中で浦和学院は「セットプレーは自分の声でみんなでラインを上げ下げするっていうのを練習からやっていた。もう練習通りでした」と話すDF町田瑠斗(3年)の声かけを起点に連動。ゴール前の混戦もDF長島蒼空(3年)、DF北山陸(2年)を中心にゴールを隠しながら掻き出ずなど集中した守備を見せた。
浦和学院は38分、敵陣でボールを奪取し、FW桜井亮(2年)がFW本田優生(3年)とのパス交換からエリアに侵入。シュートは惜しくも枠を捉えられなかったが、1-0で接戦を制した。
浦和学院・川上耕平監督と、細田学園・上田健爾監督は京都橘でともにコーチをしており、お互いのサッカーを熟知していることもあって、この日は全体的にクローズな展開の試合に。その中で苦手としていたロングボールを防ぎきっての勝利に川上監督は「そこはかなりの成長」と話す。
2年ぶりに復帰したS1リーグでは、聖望学園に3-2、昌平Ⅱに2-2と負けなしで今大会に入ったものの、失点が続いていた。「失点の傾向は、セットプレーとロングボールの処理っていうのはこの2試合はそうだし、練習試合も含めて、やっぱりどうしてもそこがウィークなところなので、それをやらせないために」とウィークポイントを徹底して意識。新2年生主体で臨んだ新人大会、1回戦の春日部戦も含めて、今季公式戦初のクリーンシートで勝利したのは収穫だ。
昨秋の準優勝チームからは平昭を残し、大きく様変わり。「どうしても勝負所のパワーとか、そういう局面の部分っていうのは少し去年に劣るとは思うんですけど、ただすごく真面目で徹底できる子が多いので、スタイル的にはすごく見ていて面白くなってきている」。現段階では後ろでの時間が長くなっているが、昨年以上にボールを扱う技術にこだわりながらトライしている
2月には新3年生の修学旅行と兼ねてスペイン遠征を行い、現地チームとの練習試合やクリニックを実施。身体の大きな相手に対し「予測」の大切さなどを改めて感じ、大きな刺激も受けた。
今年の目標はもちろん先輩たち超え。主将の平昭は「まだ浦和学院は埼玉県で優勝したこともないし、全国にも出たことがない。夏と冬にでかいインターハイと選手権っていうのがあるので、しっかりそこで結果を残して、初の全国出場という切符を掴み取りたい」と意気込みを語った。
石黒登(取材・文)
試合結果
細田学園 0-1 浦和学院
0(前半)1
0(後半)0