所沢が7年ぶりの選手権決勝Tへ! 練習時間減もメリハリつけて好成績 S2撃破を目指し「サッカーも勉強も全部取りに行く」

第103回全国高校サッカー選手権大会・埼玉県一次予選会の代表決定戦が8月31日に県内各地で行われ、所沢と越谷南が激突。所沢が2-0で勝利し、6年ぶりとなる県大会出場を決めた。

前半はなかなかシュートまで繋げられなかった中で後半、所沢は「相手をひっくり返すようなボールを意識していた」と話す10番のFW徳永櫂(3年)が中盤でボールを受けながらピッチ幅を使って展開し、スピードのあるMF福田蒼太(2年)の抜け出しなどからゴールに迫った。

一方、越谷南も17分、10番MF加藤佑隆(3年)のスルーパスからMF五十嵐利矩(3年)が抜け出して右足シュートを狙ったが、ここは所沢の1年生GK菊岡涼一が好セーブを見せる。

試合が動いたのは20分だ。所沢は右SBの佐藤優成(3年)のクロスに「後半はチームとして点を取る意識を高めてやっていた。負けたら3年生が引退になってしまうので、貢献したいなという気持ちだった」と話す福田がファーサイドでヘディングでゴールに流し込んで先制した。

勢いに乗るとその6分後には、MF山田夏夢(2年)の仕掛けからエースの徳永がキーパーとの1対1に。「ちょっと危なかったんですけど」と笑ったが、しっかりと流し込んで追加点とした。

所沢は36分にもMF山城大暉(3年)のカットインからMF森田凪音(3年)がこぼれ球を惜しいシュート。まずは1点を返したい越谷南は38分、途中出場のDF南部優真(3年)が相手を引きつけて決定的なスルーパス。しかし、FW小山来人(2年)のシュートは枠を捉えきることができなかった。そのまま試合はタイムアップ。所沢が2-0で勝利し、県大会切符を掴んだ。

所沢は6年ぶりの県大会出場となった総体予選に続き、選手権では7年ぶりとなる決勝トーナメント進出。また、この夏は浦和南サッカー部OBの県内指導者のチームが集うフェスティバル「サザンクロスカップ」でも浦和南や浦和東などを抑えて優勝するなど結果も出てきている。

福永博行コーチは「粘り強く戦えるようになってきたのかなと。あとはやっぱり後ろが頑張ってくれるところが大きい。今日も後ろの3年生4人を中心に頑張ってくれたことが後半の得点に繋がった」とバックラインを評価。184cmの阪井鼓太郎(3年)、186cmの寺島凜太(3年)の長身CBコンビがしっかりと跳ね返し、サイドバックも献身的に上下動してチームを支えた。

果敢なカットインでゴールに迫った左SB鈴木勢直(3年)主将は「今年の3年生は15人いるんですけど、ちゃんと勉強もサッカーも両立している中で勝てて素直に嬉しい」と笑顔で話す。

今年は選手たちで話し合い、練習を昨年までの週6日から4日に変更し、空き時間には勉強やコンディション調整、自分の足りないところに各々が取り組み。全体練習自体は少なくなったが、その分、「サッカーはサッカー、勉強は勉強とメリハリをつけてやっています」(鈴木)。ひとつひとつのトレーニングに臨むモチベーションや強度が上がったことも好成績に繋がっている。

選手権での目標は「S2のチームを倒すこと」。徳永は「ここからは本当に厳しい戦いになると思うんですけど、サッカーも勉強も全部取りに行けるようにここから頑張って行きたい」と意気込み。サッカーも、勉強も全力で取り組みながら、県リーグ勢撃破という大きな目標を成し遂げる。

石黒登(取材・文)

試合結果

所沢 2-0 越谷南
0(前半)0
2(後半)0