【関東】埼玉栄中、11年ぶりの関東は悔しい結果も『基準』を作る大会に 3年生は高校年代で「もう一回栄で全国に」チャレンジ

第55回関東中学校サッカー大会・1回戦は7日、県内のしらこばと運動公園陸上競技場ほかで行われ、埼玉県第2代表の埼玉栄中は群馬県第1代表の桐生大学附属中に0-1で敗れた。

相手の対策に苦しみ後手に回った。桐生大附属中は10番FW宇山尊やMF田中夏維(ともに3年)に入るボールを徹底して対策。埼玉栄中はなかなか自分たちの展開に持ち込めずに苦しんだ。

中盤でも「パスが雑になったり、ロングボールの関わりが少なかった」とMF池内蒼偉(3年)主将がいうように、思うようにゲームを作れずに苦戦。宇山は「ちょっと後ろ重心になっちゃって、一歩目とかが全然踏み出せなくて、それの結果が前半だったなと思います」と振り返る。

その中で前半26分、コーナーキックの流れからクロスを相手10番に決められ先制点を許した。

後半は前線でボールをしっかり保持しながらサイドやボランチも絡んで埼玉栄中らしい攻撃も。24分には田中のスルーパスからMF熊谷颯真(2年)が、29分には宇山、池内が絡み、田中のクロスのこぼれ球をMF竹中琉聖(3年)が狙ったシュートは相手DFのブロックに阻まれた。

佐瀬裕大監督は「ああいうスタイルを最初から出していかないと勝負所でやっぱり結果がついてこないなっていうのはすごく感じましたし、関東大会のプレッシャーとか緊張感っていうのはやっぱりまだまだ経験不足だなというのはすごく感じました。これを機にもっと高みを目指して日頃からやっていかなくちゃいけないなっていうのは痛感させられました」と振り返った。

埼玉栄中として11年ぶりとなった関東大会は「高校生の応援も来てくれたり、先生とかも結構応援に来てくれて、「応援されているな」と思いました」(池内)と応援してくれている人たちの存在も感じた大会に。悔しい結果にはなったが、「基準が明確になった」(監督)ことも大きい。

3年生は多くの選手が埼玉栄高に上がる予定。池内主将は「栄高校はやっぱりサッカー部の人数も多いので、しっかりそこでトップのスタメンを取って、「自分たちがもう一回栄で」全国に行きたいです」と中学年代で叶えられなかった全国出場をこの仲間たちと再び高校で目指す。そして下級生たちはここで経験した「基準」を落とし込み、来年再びこのステージに帰ってきて勝つ。

石黒登(取材・文)

試合結果

桐生大学付属中 1-0 埼玉栄中
1(前半)0
0(後半)0