昌平が鬼門のベスト4を突破し、初の決勝進出!悲願の日本一&県勢51年ぶりの夏のタイトルへあと1勝

令和6年度全国高校総体(インターハイ)男子サッカー競技の準決勝が2日、Jヴィレッジスタジアムで行われ、昌平は帝京長岡(新潟)と対戦。2-1で勝利し、初の決勝進出を果たした。

昌平は準々決勝の桐光学園(神奈川)戦で前半なかなか自分たちのサッカーができず2失点。「最初から行こうっていう話は全体でしていて、玉田さんからも言われましたけど、桐光の反省を活かして前半から飛ばして行けた」(大谷)。この日は反省を活かし、立ち上がりから仕掛けた。

そのなかで昌平は前半5分、MF大谷湊斗(3年)主将がドリブルで持ち出しペナルティエリア外から右足を一閃。豪快なシュートを突き刺して先制した。また、今大会は先制後、勝負を決める2点目を決めることに苦労する試合が多かったが、早めに追加点を取れたことも大きかった。

14分、MF岩谷勇仁(3年)の右クロスをFW鄭志錫(3年)がヘディングで折り返し、MF長璃喜(2年)がシュート。これは相手守備にブロックされたが、こぼれ球を大谷が右足ダイレクトで沈めて早々に追加点を奪った。「自分自身、結果も求めてやってきているので、シュートしか考えていなかったです」と話す、頼れるキャプテンがクーリングブレイク前に2点を奪う。

一方、昌平の中盤の選手を捕まえ切れていなかった帝京長岡も4-1-4-1にシステムを変更し、立て直し。32分、シュート性のボールをゴール前でコースを変えられて失点を許した。

昌平はMF岩谷勇仁(3年)がスピードを活かして仕掛け、36分にはMF本田健晋(3年)のコーナーキックからDF上原悠都(3年)が高い打点のヘディングでゴールに迫る。37分には中盤でボールを引っかけた鄭が前進し狙ったが、惜しくも枠を捉えきることができなかった。

後半3分の帝京長岡のトリックCKはGK佐々木智太郎(3年)がファインセーブ。9分には長がカットインし、鄭の落としをMF本田健晋(3年)が狙ったシュートはブロックに遭った。

昌平はクーリングブレイク明けからU-17日本代表10番MF山口豪太(2年)を投入。29分には早速山口のシュートがコースを突いたが、キーパーの好守に阻まれた。32分には途中出場のMF三浦悠代(3年)のクロスを受けた山口が再び狙ったが、シュートは惜しくも枠を逸れた。

終盤は相手の猛攻に遭う中で最後まで集中してプレー。玉田圭司監督は受け身に入る時間が長くなってしまったことを反省しつつ、「選手の気持ちはすごく伝わってきたし、インターハイは本戦が始まる前から自分たちは優勝するんだ、決勝まで行くんだっていうのを選手みんなが口に出して言ってくれていた」。日本一への想いの強さを見せた昌平がファイナル進出を決めた。

昌平はこれまで5度の出場で4度のベスト4進出。一方でそこが大きな壁となっていた。2年前も出場していた鄭は「(準決勝で)帝京に負けてしまったのはすごく印象に残っていた。それを今日勝って塗り替えるっていうのをチームとして話していたので勝てて良かったです」と話す。

決勝進出は2012年の武南以来12年ぶり。優勝となれば1973年の児玉以来、51年ぶりとなる。

決勝の相手となる神村学園は今大会9得点の世代屈指のFW名和田我空(3年)を擁し、今大会も5試合25得点と攻撃に特徴を持ったチームだが、大谷は「自分たちも攻撃には自信がありますし、守備も安定してきている。攻撃の部分では自分たちはまだ勝っていると思っているので、その部分ではやっぱり違いを見せて、圧倒して勝てたらと思います」と意気込み。中学時代、下部組織のFCラヴィーダで全国準優勝を経験している鄭は「ラヴィーダの時も全国決勝で敗れているので本当に全国優勝を、金メダルを取りに、明日絶対勝ちたいと思います」と力を込めた。

石黒登(取材・文)

試合結果

帝京長岡 1-2 昌平
1(前半)2
0(後半)0