[学総]エース戸邉が“恩返し”の決勝弾!「堀崎で勝ってこそ」春野中が悔しさ味わった会場で成長見せる勝利

令和6年度学校総合体育大会中学校サッカーの部は22日、県内5会場で2回戦16試合が行われた。さいたま春野中と越谷新栄中の一戦は、終盤までもつれた中で春野中が1-0で勝利した。

恩師の前で成長を見せる勝利――。春野中はスコアレスで迎えた後半25分、右クロスから最後は10番FW戸邉大誠(3年)主将が右足ボレーでネットに突き刺し、これが決勝点となった。

「浮いていて合わせられるかなと思ったんですけど、うまく抑えられて、蹴った瞬間入ったなと思った」とミートした瞬間にゴールを確信した一発。ゴールネットにボールが突き刺さったのを見届けると応援席に一目散に駆け出す。どうしてもゴール、そして勝利を届けたい相手がいた。

応援席にいたのは昨年まで指揮官を務め、今年から市教育委員会に異動した篠原大・元監督だ。

昨年までの2年間、お世話になった恩師。異動の話を聞いた際は「1回気持ち的にも落としたところもあった」。それでも「(主将の)俺が落としたらチームが何もできなくなっちゃうので、もう底上げして、(今日は)見に来てくれるということで、絶対に勝ってやろうと思っていました」。

昨年はコーチを務め、今年から指揮を執る太田将希監督も「気合いと気持ちを持っていて、練習する姿勢もチームの中心になっています」と話す精神的主柱。その姿勢も「前の監督をリスペクトして、やっていたことを僕が自分なり真似ているだけなので」と前指揮官から教わったことだ。

「決めたら(恩師のもとへ)行こうと決めていました」。この日は前半にクロスからボレーがポストを強襲。後半も「自分がやらないでどうするんだ!」と臨み、恩師の前で恩返し弾を決めた。

昨年の新人戦では同じ堀崎公園会場で行われた1回戦で春日部葛飾中に敗退。太田監督も「堀崎で勝ってこそ、去年より成長したなって言えるっていうのは試合前にも話をした」と明かす。

副将を務めるMF楠元陽海(3年)は「その負けをみんなが心に刻んで、絶対に負けないという気持ちでやってきたし、人一倍練習の強度も上げてやってきて、篠原先生がいない中でも県大会に来て、ここで勝てたのは本当に自分たちが成長できたところだと思います」と力強く話した。

石黒登(取材・文)

試合結果

さいたま春野中 1-0 越谷新栄中
0(前半)0
1(後半)0