[総体予選]昌平、浦和学院に5発大勝で決勝へ!プレミアEASTトップの得点力見せつけ3試合13発

令和6年度全国高校総体サッカー大会埼玉県大会は12日にNACK5スタジアム大宮で準決勝を行い、優勝候補の昌平は浦和学院と対戦し5-0と大勝。2年ぶりの夏の全国に王手をかけた。

両チームは2017年の準決勝でも全国をかけて激突。昌平には原田虹輝(現ラインメール青森)、浦和学院には安居海渡(現浦和)、田中和樹(現千葉)がいた中で昌平が6-0で勝利していた。

この日も昌平が前半から攻め込み、前半15分、FW鄭志錫(3年)のスルーパスに抜け出したMF三浦悠代(3年)が3試合連続、今大会4得点目をゴールネットに突き刺して先制した。

その後も昌平は攻勢をかけ、18分にはDF中松陽太(3年)のフィードから鄭が足を伸ばしてコースを変えたシュートがポストに。20分には再び中松からのボールをU-17日本高校選抜MF大谷湊斗(3年)がバイシクルで狙う。27分には23年U-17日本代表の10番MF山口豪太(2年)のパスからU-17日本高校選抜候補MF長璃喜(2年)のシュートが左ポストを強襲した。

一方、先制を許した浦和学院は5バックで引き込みながら相手の攻勢に対し粘り強いディフェンス。そこから10番MF平瀬優真(3年)主将を中心にビルドアップしたいところ。この日はスタート位置が低く、なかなか攻撃が実る形はなかったが、最少失点に抑え後半に望みを繋いだ。

後半も昌平は今季のチームの大きな特徴である少ないタッチ数でボールをリズミカルに動かしながら相手陣地で多くの時間をプレー。7分には大谷を起点に三浦がヒールパス、鄭と繋ぎ、MF本田健晋(3年)がボレーで狙ったが、ここは浦和学院GK岡本悠汰(3年)が攻守で防いだ。

昌平が押し込みながらもなかなか勝負を決める追加点を取れずにいたが、「今日は2点目が入れば絶対にもうこっちのものだっていうのは確信していた」というチームの心臓が均衡を破った。

17分、ペナルティエリア前でボールを持った大谷は「自分は常にシュートする意識は持っている」。マーカーを外すと左足一閃。シュートは利き足と逆足だったが、「基本自分は両方蹴れるので。左の方がちょっとうまいくらいです(笑)」。抑えの効いたシュートをネットに突き刺した。

このゴールを皮切りに連続得点。20分には大谷のパスから今季プレミアEASTでも得点ランクトップを走る長が右足を思い切り振り抜いて豪快にゲット。30分にはコーナーキックのこぼれ球から中松のパスを受けた途中出場のMF甲斐田裕大(3年)が決めてリードを4点と広げる。44分には山口にも待望の初得点が生まれた昌平が5-0と大勝し、ファイナルにコマを進めた。

初戦の3回戦、準々決勝に続く大勝だったが、玉田圭司監督は「快勝ではないですね」とピシャリ。「前半は1-0で折り返したけど、内容的には良くなかったと思うし、相手がやってくることに対して合わせてしまった部分もあったからその辺は課題。先制点を取れたっていうのは大きいと思うけど、2点目を取るタイミングももっと計算しながらやっていくことが大事」とした。

2年ぶりの夏の全国まであと1勝。今大会、攻守において文字通り『心臓』というプレーを見せている大谷は「プレミアでもいま3位で結構チームの雰囲気的にも良い感じなので、やっぱり自分ももっとできると思いますし、もっとやらないといけないので、もっとほかの人との違いを見せて勝ちたい」と意気込み。決勝でも他の追随を許さない「違い」を見せて、圧倒して勝つ。

石黒登(取材・文)

試合結果

昌平 5-0 浦和学院
1(前半)0
4(後半)0