[総体予選]関東予選覇者・正智深谷、立教新座を振り切り4強!途中出場MF白岩龍が得意のヘッドで勝負を決める2点目

令和6年度全国高校総体サッカー大会埼玉県大会は9日に準々決勝を行った。関東大会予選覇者の正智深谷は同4強の立教新座と対戦。2-0で勝利し、3年ぶりの夏の全国に一歩前進した。

シュート本数は正智深谷の24本に対し、立教新座は3本。内容面でも特に後半は相手コートに押し込んでプレーし、圧倒していた中で正智深谷は勝負を決める2点目を取るのに苦労した。

正智深谷は前半18分、エリア内でハンドを誘いペナルティキックを獲得。これをDF佐藤飛友(3年)が沈めたが、正智深谷の選手が先に飛び出したとの判定でやり直しに。しかし、蹴り直しの10番MF近藤七音(3年)のキックは立教新座GK小野寺健太(2年)に阻まれてしまう。

一方、立教新座も関東予選でも活躍した10番MF粟屋大智(3年)がこの日も前線で違い。29分には左サイドを抉り、鋭いクロスから決定機を創出。33分には左WB佐々木琥太郎(3年)クロスに走り込んでヘディングで合わせたが、惜しくもゴールを捉えきることはできなかった。

正智深谷は36分、コーナーキックから佐藤のヘディングが惜しくもクリアされたが、37分に幸運な形で先制した。相手守備のビルドアップに対し、直近4試合で5ゴールを量産するFW中島亜漣(3年)がプレスに行くとクリアボールが中島の身体に当たってゴールに吸い込まれた。

後半は勢いに乗る正智深谷ペースに。近藤が中盤でボールを引き出しながら攻撃を活性化。また、関東大会後に台頭したMF高野大輝(3年)が果敢な仕掛けとフィニッシュでゴールに迫る。

30分のMF吉田匠吾(3年)のシュートはクロスバーに。34分には近藤からのリターンを受けた高野が狙ったが、相手ディフェンスの粘り強い守備に遭いゴールとはならない。後半は前半の10本を超える14本のシュート。なかなかゴールネットを揺らすことができなかったが、それでも終了間際の37分、近藤のショートコーナーから高精度のキックを誇るDF鹿倉颯太(3年)がクロス。このボールに途中出場のMF白岩龍(3年)がジャンプ一番ヘディングで合わせた。

白岩は大会前に右ひざに痛み。今予選は初戦となった3回戦の埼玉平成戦は大事を取って欠場、この日は後半17分からピッチに立った中で「今日も点を決める気で来ました」と話す。「外から見ていて、ゴール前で相手がボケていたので、オフ・ザ・ボールで相手にファーを一回気にさせて前に入っていくことで前で触れた」。ディフェンスと駆け引きし、狙い通りの形でゲットした。

関東予選準決勝の聖望学園戦でも終盤に鹿倉のクロスからヘッドで決勝弾。今季はリーグ戦も含め決めている3点すべてが鹿倉からと、信頼するクロッサーからのアシストで決勝点とした。

決勝進出をかけた準決勝は新人戦1回戦で敗れたプリンスリーグ関東2部所属の西武台が相手。GK森穂貴(3年)は「あの時は球際やヘディング、ひとつひとつのプレーだったり、ほぼ全部の面で西武台が上手で、やられているだけだったので、もっとやらなきゃなっていうのはその時思いました」と振り返る。「その時に比べたら強度とかは上がっている部分はあります。しっかり準決勝、決勝両方ともゼロで抑えて、インターハイに出られるように」と意気込みを語った。

石黒登(取材・文)

試合結果

正智深谷 2-0 立教新座
1(前半)0
1(後半)0