[総体予選]初戦の反省生かし開始3分に先制弾! 昌平が細田学園を圧倒しベスト4進出

令和6年度全国高校総体サッカー大会埼玉県大会は9日に準々決勝を行った。プレミアリーグEASTで現在3位につける昌平は細田学園と対戦し、4-0と圧倒する形で4強入りを決めた。

優勝候補筆頭がその力を見せつけた。昌平は初陣となった3回戦の西武文理戦で立ち上がりにPKで失点。その後は安定した試合運びで勝利したが、玉田圭司監督は「それを教訓にしてくれっていうのは今日伝えて。先制点をいかに取ることが大事かっていうことを伝えた」と話す。

MF大谷湊斗(3年)主将も「前々回のイチフナ戦(プレミア第8節市立船橋戦)もそうですけど、最初は押し込まれた状況が多かったので、今日は最初から飛ばしていこうっていう話はしていた」と語る中で昌平は前半3分、MF三浦悠代(3年)がドリブルで持ち出して左サイドへ展開。U-17日本高校選抜候補MF長璃喜(2年)の仕掛けからのマイナスのクロスをゴール前に入り込んだ三浦がダイレクトで沈め、今大会無失点を継続してきた細田学園に早々に先制した。

最高の立ち上がりを見せると、長や三浦、23年U-17日本代表の10番MF山口豪太(2年)、MF 本田健晋(3年)で構成される魅力的な2列目を中心にワンタッチ、ツータッチで叩きながら攻撃を展開。前では一皮むけた感のあるFW鄭志錫(3年)がこの日もボールを収め、指揮官も「チームの心臓」と話し、扇の要を務めるU-17日本高校選抜MF大谷がキーパスを連発した。

29分には追加点。山口の落としから「自分は常にFWを見ている」と話す大谷が絶妙なスルーパス。これに抜け出した鄭が最後は右足で沈めた。「湊斗のアシストからトラップ、シュートまで本当に完璧な流れで気持ち良かったです」と本人の中でも満足度の高いゴール。「プレミアでやっぱりすごいディフェンダーとやって、自分も日に日に成長している実感もありますし、だからこそ、この埼玉では誰が相手でも圧倒しなきゃいけないと思いますし、ノーミスで全部自分が勝たなきゃいけないなっていうのは感じています」と語るストライカーの一撃で2-0とした。

後半もダイレクトプレーを繋げながらゴールに迫り、7分には大谷の展開から長のクロスを再び三浦がワンタッチでゲット。15分には鄭のボール奪取からの攻撃で、前半から良い攻め上がりを見せていた右SB安藤愛斗(2年)のクロスを大谷が頭で折り返し、長が飛び込んで沈めた。

中盤以降は積極的にメンバーを入れ替えながらもゲームをコントロール。途中出場組も左サイドに入ったMF岩谷勇仁(3年)が積極果敢にサイドを仕掛け、右に入ったMF木村小虎(3年)は16分からの出場ながらこの日両軍最多の6本のシュートを放つなどゴールに迫り続けた。

なんとか一矢報いたい細田学園は34分、MF並木俊輔(3年)の直接フリーキックが枠を捉えたが、昌平はU-17日本高校選抜GK佐々木智太郎(3年)が横っ飛びでセーブ。後ろもゼロで凌いだ昌平が完勝に近い形で勝利し、2大会ぶりの夏の全国出場に向けまずは4強に進出した。

玉田監督は「自分たちはやっぱり力の差を見せつけなきゃいけない部分もあるし、やっぱりその中で隙を作らないっていうこともやらなきゃいけない試合ではありましたけど、それを選手たちはすごく実行してくれた」と評価。今季は中断前のプレミアで4勝2分2敗の3位、得点数「18」はリーグトップと全国での期待値も十分で準決勝以降も圧倒してのプレーが期待される。

「もちろんそうあるべきだと思うし、でもそれは簡単ではない、けど簡単にできる能力も自分たちはあるっていうことは伝えてます。いかに難しくすることも、簡単にすることも自分たち次第だっていうことは伝えて。本当に自分たちがどれだけやれるか。もちろん相手に対してリスペクトはするけど、自信を持ってプレーすることを、自分たちが勝たなきゃいけないっていうことを認識した中で試合に臨むこと」(監督)。自分たちにフォーカスしながら夏の全国切符を掴み取る。

石黒登(取材・文)

試合結果

昌平 4-0 細田学園
2(前半)0
2(後半)0